完全復調でも…大谷翔平に見えた“課題” 専門家懸念の対応「なかなか前に飛ばない」

前日は前巨人グリフィン、この日は35歳左腕から2試合連発
【MLB】ドジャース 14ー2 Bジェイズ (日本時間7日・トロント)
ドジャース・大谷翔平投手は6日(日本時間7日)、敵地で行われたブルージェイズ戦に「1番・指名打者」で先発出場し、6回にバックスクリーンへ2試合連発の3号ソロを放つなど、6打数2安打1打点の打棒を振るった。専門家は今季の大谷の、対左投手と対右投手の“格差”に着目する。
6回先頭で第4打席を迎えた大谷が、相手3番手の35歳左腕ジョー・マンティプリー投手が投じた、カウント2-1から内角低めの140キロのシンカーを一閃。打球は低い弾道でバックスクリーンへ飛び込んだ。難しい内角球をあえて中堅から左方向へ飛ばす大谷ならではの技術を見せつけた。
前日(5日)にも敵地でのナショナルズ戦で、昨季まで巨人で3年間プレーした左腕フォスター・グリフィン投手から、先制の中越えソロを放っていた。「昨日も今日も、左投手に対する打撃としては、ミートポイントも打ち返す方向も最高です。これを続ける限り、左投手は苦にならないと思います」。こう称賛するのは、現役時代にNPB通算2038安打をマークし、引退後も名コーチとして鳴らした野球評論家・新井宏昌氏だ。
今季の大谷は、開幕から本拠地ドジャースタジアムで行われた最初の6試合は18打数3安打(打率.167)ノーアーチと振るわなかった。ところが、遠征に出た3日のナショナルズ戦以降、4試合で21打数8安打(打率.381)3本塁打と俄然調子を上げてきた。
今のところ、ホームゲームとビジターゲームで成績に差があるが、さらに気になるのが、対左投手と対右投手の“格差”だ。6日現在、左投手に対し打率.400(15打数6安打)2本塁打、右投手には.208(24打数5安打)1本塁打。新井氏は「相手が左投手の時と右投手の時とで、バッティングが変わってしまっている気がします」と指摘する。
「右投手に対してはミートポイントを変えてもいいのではないか」
「右投手の速球やカット気味の球に対し、タイミングが遅れ、空振りしたりファウルになったりするケースが目立っています」と新井氏。「大谷はもともとミートポイントが体に近いタイプの打者ですが、現状では右投手に対して近すぎて、なかなか前に飛ばない。私は対右投手と対左投手で、ミートポイントを変えてもいいと考えています。右腕には球の速い投手が多いですし、左腕と右腕では打席からの見え方も違いますから。右投手に対しては、(ミートポイントを)もう少し投手寄りに置いてもいいのではないでしょうか」と提言した。
この日も左腕に対しては、4回無死一、二塁でジョッシュ・フレミング投手から放った中飛もいい当たりで、走者をそれぞれタッチアップで進塁させた。
一方、先発の右腕マックス・シャーザー投手と対戦した初回は、最終的にカウント0-2から外角低めのチェンジアップを巧みに拾い、惜しい中直だったが、初球の真ん中高めの甘いストレートをとらえ切れずファウルにしていた。8回の第6打席では、右腕スペンサー・マイルズ投手に154キロのストレートを振らされて3球三振に倒れた。
今季も大谷は新たに先端を繰り抜いた形状のバットを導入するなど、工夫のあとがうかがえる。新井氏は「右投手に対してタイミングが合ってくれば、昨季の好調時のように相手にとってはお手上げで、申告敬遠が頻発する姿が見られると思います」と太鼓判を押す。まだまだ本領発揮はこれからだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)