なぜ大谷翔平の出塁は止まらないのか カギ握る“新戦力”…専門家が上げた3つの理由

Bジェイズ戦に出場したドジャースの大谷翔平【写真:黒澤崇】
Bジェイズ戦に出場したドジャースの大谷翔平【写真:黒澤崇】

初回先頭で1球もストライクが入らず、9回の好機には申告敬遠

【MLB】ドジャース 4ー1 Bジェイズ(日本時間8日・トロント)

 いったいどこまで記録を伸ばすのか。ドジャース・大谷翔平投手は7日(日本時間8日)、敵地で行われたブルージェイズ戦に「1番・指名打者」で出場し、3打数1安打1打点2四球。昨年8月24日のパドレス戦から続く連続試合出塁を「42」に伸ばし、イチロー氏がマリナーズ時代の2009年に4月から6月にかけて樹立したMLB日本人選手最長記録「43」に王手をかけた。

 相手の警戒ぶりは尋常ではない。初回先頭で打席に入った大谷に対し、ブルージェイズ先発で昨季まで5年連続2桁勝利を挙げているケビン・ガウスマン投手は、慎重に低めを攻め続けた。結局、1球もストライクゾーンをかすめないまま、四球を与えた。

 3回無死一、三塁の場面では、ガウスマンの内角低めのスプリットをとらえ、右翼フェンスを直撃する先制適時打。そして3-1と2点リードして迎えた9回の第5打席、2死二塁で打席に入ると、当然のように申告敬遠で歩かされた。

「3回の先制打は、コースも高さもストライクゾーンから外れていましたが、見事に打ち返しました。連続試合出塁に関しては、投手として登板する試合では負担が大きい分、少し不安を感じますが、それでも相手が勝負を避けようとするケースが多く、年間全162試合、全てで出塁する可能性すら感じます」。こう分析するのは、現役時代にNPB通算2038安打を放ち、オリックス1軍打撃コーチ時代にはイチロー氏のブレークに携わった野球評論家・新井宏昌氏だ。

 連続試合出塁のドジャース記録は、1954年にデューク・スナイダー氏が達成した「58」。さらにMLB記録は1949年にテッド・ウィリアムズ氏が打ち立てた「84」だが、今の大谷はそれを上回る可能性を秘めているというわけだ。

鍵握る“新2番”タッカー「タイミングの取り方が上手」

 2017年からMLBに申告敬遠が導入されたことも、出塁記録を伸ばすうえで追い風となっている。新井氏は「申告敬遠がなかった時代には、ベンチが『無理に勝負をせず、歩かせていい』と考えていても、意図がバッテリーにうまく伝わらず、勝負に行ってしまうケースが時々ありました。監督が審判に告げるだけで打者を一塁へ歩かせられるようになり、大谷のような打者はなおさら、勝負を避けられる機会が増えたと思います」と説明する。

 一方、大谷が歩かされるケースが増えるほど、チームにとっては次を打つ2番打者が鍵を握ることになる。今季は、カブスから移籍したカイル・タッカー外野手が、開幕からその役目を務めている。

 この日のタッカーは、第4打席までは無安打3三振といいところがなし。しかし2点リードの9回、大谷が申告敬遠で歩かされた直後の2死一、二塁で迎えた第5打席では、ブルージェイズの守護神ジェフ・ホフマン投手が初球に投じたスプリットを右前へ弾き返し、貴重な追加点をもたらした。

 新井氏は「タッカーのいいところは、ファーストストライクから積極的にスイングしていけるところ。イコール、タイミングの取り方が上手だということです。悪くても打率2割7〜8分、つまり1日1安打ペースで打っていける打者だと思います」と評価する。

 ドジャースは5連勝。大谷の連続試合出塁記録の伸長とともに、白星を重ねていける状況が整っている。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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