つまらないと言われる野球に好機「NBAの人気にやや陰り」 ロス五輪に前向きなMLBの皮算用と切実な事情|MLB Press Box #2
WBC第6回大会で優勝したベネズエラ【写真:ロイター】熱狂を呼んだWBC決勝R「『つまらない』と感じる人間は果たしていただろうか」
米国の有力紙やスポーツ専門メディアの記者が、日本国内の報道とは一線を画す視点を提供するFull-Count+の新企画「MLB Press Box〜米国記者の忖度なき評価〜」。今回はディラン・ヘルナンデス記者(カリフォルニア・ポスト)が、2028年のロサンゼルス五輪にMLBが前向きな理由を読み解く。
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近年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が収めた成功は、米国野球界の風景を確実に変えつつある。2028年ロサンゼルス五輪では、五輪大会で初めてメジャーリーガーが参加する可能性が高まっている。これまで国際大会への派遣に後ろ向きだったMLBが、なぜ大会参加へ舵を切ろうとしているのか。そこには、野球界の切実な懐事情と、国際大会が持つ巨大なビジネスチャンスへの計算が見え隠れする。
コミッショナーのロブ・マンフレッド氏は、ロス五輪へのメジャーリーガー派遣に前向きで、シーズン中断期間など選手会との話し合いを進めている。現実味を帯びてきた最大の理由は、近年のWBCにおける成功だ。
WBCは第6回大会も国内外で視聴率は過去最高を記録し、大きな盛り上がりを見せた。実際、これまでは多くの米国人にとって野球の国際大会への感心が薄かったのは確かだ。世界最高峰のリーグはMLBであり、ワールドシリーズこそが世界一を決める舞台だという認識が強かったように思うし、まだその考えは一部で根強く残っている。
大きな盛り上がりを見せた第6回WBC【写真:ロイター】野球はNBAなどに比べると試合数も多いし、試合も長く、つまらないと言われるのが現実。それがどうだ。マイアミの球場を埋め尽くすドミニカ共和国やベネズエラのファンが見せた、プレーオフのような熱狂的な盛り上がりを見て、あの大会を「つまらない」と感じる人間は果たしていただろうか。
野球の“国際化”へ…MLBが無視できない海外市場
(ディラン・ヘルナンデス / Dylan Hernandez)
