侍左腕に監督苦言「気の緩み、甘さが出た」 2回だけ“豹変”で4失点に「モヤモヤ残る」

隅田は7回4失点で2勝目も「モヤモヤが残ります」
少し古い表現で言えば“ジキルとハイド”。1イニングだけがまるで別人のような投球だった。西武・隅田知一郎投手は21日、本拠地ベルーナドームで行われたソフトバンク戦に先発。2回に5安打を集中された上、2暴投の大荒れで一挙4点を奪われたが、その他のイニングは被安打0の快投。トータル7回105球、4失点で今季2勝目(1敗)を挙げた。
「味方打線に点を取ってもらった後の大量失点なので、モヤモヤは残ります。(原因は)わからないですね……これから追究します」。隅田自身は試合後、複雑な表情を浮かべていた。
初回は先頭・周東佑京外野手を外角高めの149キロの速球で空振り三振に仕留めたのをはじめ、3者凡退で片付ける快調な立ち上がり。しかもその裏、味方打線が大量6点を先制し、一気に波に乗るかに見えた。
ところが6点のリードをもらった2回のマウンドで、隅田は悪い意味で豹変する。1死一塁で今宮健太内野手に左翼フェンスをギリギリ越える1号2ランを浴びる。続く栗原陵矢内野手に中堅フェンス直撃の二塁打、谷川原健太捕手にも右前打を許し、1死一、三塁のピンチに追い込まれた。
2死後、周東をカウント1-2と追い込んでから、6球目と7球目に投じたチェンジアップがいずれもワンバウンドの暴投。周東には四球を与え、近藤健介外野手の中前適時打もあって、あっという間に2点差に迫られたのだった。
昨季に初の2桁勝利を挙げ、今年3月のWBCでは侍として戦った
西口文也監督は「6点取ってもらった直後の回というところで、ちょっと気の緩みが出た可能性がある。最悪でも今宮くんの2ランだけで終わってほしかった。その辺にちょっと、隅田の甘さが出たかなという感じがします」と厳しく指摘。マスクを被っていたドラフト1位ルーキー・小島大河捕手のキャッチングを含め、「お互いにちょっと、気持ちの緩みがあったんじゃないかと思います」と苦言を呈した。
ただ、点差が詰まって引き締まったのか、3、4、5、6回はいずれも3者凡退の快投。7回は2死から柳町達外野手に四球を与え、2回以外では唯一の走者を許したが、続く周東を内角高めの150キロの速球で空振り三振させた。、隅田は歓喜の雄叫びを上げ、この回限りでマウンドを降りた。西口監督は「もう1回立て直してバッテリーで頑張ってくれたので、そこはよかったかなと思います」と評し、チームも6-4のまま逃げ切った。
今井達也投手がメジャーリーグへ流出した今季の西武の先発投手陣にあって、21日現在、平良海馬投手はリーグ2位の防御率0.60(2勝0敗)、武内夏暉投手も同5位の1.88(1勝2敗)と快調なスタートを切った。隅田は同10位の4.13(2勝1敗)。昨季に初の2桁勝利(10勝)を挙げ、今年3月のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で“侍”の1人として戦った隅田に、首脳陣が求める投球内容はまだまだこんなレベルではないということだろう。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)