指揮官絶賛も「それはお世辞ですね」 ドジャース封じの裏にあった“徹底ルーティン”…パドレス右腕が費やす「1人の打者に1時間」
ドジャース打線を7回4安打無失点に封じたパドレスのマイケル・キング【写真:黒澤崇】パドレスのマイケル・キングがドジャース相手に7回無失点の快投
試合はプレーボールのずっと前から始まっていた。18日(日本時間19日)、同地区のライバル・ドジャースとの今季初対戦で、パドレスが先発のマウンドに送ったのはマイケル・キング投手。7回4安打9奪三振、無失点の快投で1-0の投手戦を制し、地区首位返り咲きに貢献した。さかのぼること試合開始の3時間半前。クラブハウスで成功の秘訣を記者は目撃した。
ドジャースの打者が何度も天を仰いだ。ストライクゾーンをギリギリかすめる投球に、球審の手が上がる。キングが奪った9つの三振のうち、実に5つが見逃しだった。左打者の外角いっぱいに決まるバックドアのスイーパー、逆に胸元をえぐりながらゾーンに入ってくるフロントドアのシンカー、ズバッとコーナーを捉えるフォーシーム……。巧みな球種選択と抜群の制球力で、強力打線を翻弄した。
その精度の高さは、ABSチャレンジでより際立った。2回に6番マンシーから見逃し三振を奪ったスイーパーは、一度はボールと判定されたものの、捕手のデュランが即座にチャレンジを要求。本拠地ペトコパークの巨大スクリーンには、白球の4分の1ほどがゾーンにかかっていることが映し出された。
4回の2番ベッツの打席でもデュランはABSチャレンジに成功。逆に4番タッカーが5回に見逃し三振判定に疑義を呈した時には、ボールの半分ほどがゾーンに入っていることが示され、本拠地は大歓声に包まれた。
クレイグ・スタメン監督が「彼がパドレスに来てから最高の投球の1つ」と絶賛した快投。しかし、本人は「それはお世辞ですね。シンカーの制球はまだ本来の出来ではないですし、スイーパーも全然ダメでした」と苦笑いを浮かべた。それでもドジャース打線を制圧できたのは「デュランが素晴らしい配球をしてくれたおかげ」。7日(同8日)にデビューしたばかりの相棒を称えた。
ルーティン遂行「キム(ヘソン)が打線に入るかどうか分からない選手でした」
「ゲームプラン通りに投げられました」と胸を張った30歳のエース。試合開始の3時間半前には、クラブハウスの中で膝の上に乗せたPCをじっと睨んでいた。試合後に確認すると、やはり相手打線の特徴を確認していたという。
(鉾久真大 / Masahiro Muku)
