打者・大谷翔平はまだ「75%」 復活呼んだ“危機感”…脱した底、専門家が予言する爆発

NPB4球団で捕手として活躍した野口寿浩氏の分析
【MLB】ドジャース 4ー0 パドレス(日本時間21日・サンディエゴ)
ドジャース・大谷翔平投手が20日(日本時間21日)、敵地でのパドレス戦に「1番・投手兼指名打者」で先発出場した。約1か月ぶりの“二刀流”出場で、打っては初回先頭打者で8号ソロを放ち4打数1安打1打点1四球、投げては5回無失点に抑え今季4勝目(2敗)を挙げた。打撃では、今月13日の登板で投手に専念し、翌14日のジャイアンツ戦も欠場して休養を取って以降、スランプを脱して明らかな上昇傾向にある。
「もう別人のような打撃になっています」――こう評するのは、現役時代に日本ハム、阪神などNPB4球団で捕手として活躍し、現在メジャー中継の解説者などを務める野口寿浩氏だ。
「休養を取ったことがよかったのか、あるいは、たまたまそういうタイミングだったのかはわかりませんが、凄くいい状態になっているのは間違いありません。大谷自身は試合に出続けたいタイプのようですから、休めてよかったというより、『結果を出さないと、休まされてしまう』という危機感をバネにしたのかもしれませんね」」
この日は同じナ・リーグ西地区の難敵パドレスとの首位攻防カード。初回先頭の大谷は、パドレス先発で今季すでに5勝を挙げている右腕ランディ・バスケス投手の初球、真ん中高めの153キロのストレートをとらえる。打球はバックスクリーン右の中堅席に飛び込んだ。
「不振の頃は体の開きが早く、引っ張りにかかったような打ち方になっていましたが、すっかり修正され、センター方向へ大きな当たりが出やすい打ち方になっています」と野口氏。2回1死一、二塁での第2打席も、フルカウントから外角高めに浮いた142キロのチェンジアップに反応。これまた中堅フェンス際まで大飛球を飛ばし、一・二塁走者をそれぞれタッチアップで進塁させた。
野口氏は「第2打席の大谷は、上半身を起こし加減で構え、ライト方向へ引っ張ることによって最低でも走者を進めようという意図がうかがえました」と指摘する。「外角へ逃げていくチェンジアップに咄嗟にバットを伸ばしたため、結果的にフライになりましたが、あれがセンターへ飛んだのは、理想に近い打ち方ができているから。不振の頃であれば、完全に泳がされて空振りするか、一ゴロや二ゴロになっていたと思います」と説明した。

「今年の大谷は6月にピークの1つが来る気がします」
5月12日時点では打率.240まで数字を落としていたが、13日のジャイアンツ戦で先発投手を務めた際、バッティングオーダーに入らず打撃を封印。翌14日の同カードでは珍しく完全欠場し、休養を取った。すると15日のエンゼルス戦以降の6試合で、打率.406(32打数13安打)の上げ潮である。気づけば打率.272まで復活した。
もっとも、大谷にとってはまだまだ“絶好調”という段階でもない。
野口氏は「それはもう、絶好調の時の大谷は誰にも止められません。マルチ本塁打を放ったとしても、『そりゃ、そういうこともあるでしょ』と驚きもしない感じになります。現状は75%といったところではないでしょうか」と見る。「僕が敵側の捕手であれば、今の大谷に対しては、不振の時のように無意識のうちに体の開きが早くなるような配球を考えます。1打席だけでなく、何打席かかけて、内角のスライダーやカットでファウルを数多く打たせて、引っ張りにかかってくれるのを待つと思います」と“攻略法”を思い描いた。
「今年の大谷は6月にピークの1つが来る気がします」と付け加えた野口氏。ナ・リーグ最多の20本塁打を放っているフィリーズのカイル・シュワバー外野手に12本の大差をつけられているが、どう巻き返していくか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)