キケを襲った激痛「打席でガスバーナー」 大谷執刀医も驚愕した「最悪の状態」からの復活

昨季中に左肘を痛めた「体にガスバーナーを押し当てられているような感覚だった」
ドジャースのエンリケ・ヘルナンデス内野手が長いリハビリを乗り越え、ついに戦列に復帰した。昨季のワールドシリーズ連覇の舞台裏で、抱えていた負傷の凄惨な実態、そして開幕から2か月遅れとなった復帰への舞台裏を語った。
キケを苦しめていたのは、周囲の想像を絶する重傷だった。「本当にタフな1年だった。打席に立つ度、体にガスバーナーを押し当てられているような感覚だった」。のちに大谷の執刀医として知られるニール・エラトロッシュ医師から「今まで見てきた中で最悪の状態」と評された患部は、度重なる注射治療も効果をなさないほど悪化していた。
極限状態に拍車をかけたのが、昨秋のワールドシリーズでの過酷な守備プレーだった。勝利への執念から決死のダイビングを見せたが、着地の衝撃で状態は完全に壊れた。「残りのシーズンは、本当にボロボロだった」。負傷者リスト(IL)に入る猶予はなく、激痛に耐えながら頂点まで駆け抜けた。
オフに手術を受け、今季前半戦の戦線離脱を覚悟したことで、逆に精神的な落ち着きが生まれた。「焦ることも、イライラすることもなかった」というリハビリ期間中、生まれたばかりの我が子との時間を過ごすなどして力に変えた。開幕から2か月が経過し、ようやくメジャーの舞台へ戻ってきた。
かつてはクラブハウスの「ピエロ(お調子者)」としてチームを盛り上げる存在だったが、ベテランの域に達し、近年はその役割に変化が見られる。「若い選手たちに規律を正す(厳しくチェックする)ようになった。彼らのことを心から大切に思っているからこそだ」。時には厳しい言葉もいとわないリーダーシップが、34歳には備わっている。
チームはここ10試合で8勝2敗と勢いづいてきた。満を持してドジャースタジアムに帰ってきた人気者の熱いプレーと統率力が、チームを加速させるに違いない。
(Full-Count編集部)