打率.100で2軍落ち「だいぶ悔しかった」 値千金の決勝弾…巨人21歳が抱く“危機感”

1号を放った巨人・浅野翔吾【写真:加治屋友輝】
1号を放った巨人・浅野翔吾【写真:加治屋友輝】

「だいぶ悔しかった」5月末の2軍再調整後は試合後に1時間の打撃練習

■巨人 1ー0 中日(20日・東京ドーム)

 巨人の浅野翔吾外野手が20日、東京ドームで行われた中日戦に「8番・左翼」で先発出場。両軍無得点で迎えた3回先頭の復帰初打席、中日先発・大野の内角カットボールを鮮やかにバットに乗せた。打球は中日ファンで埋まる左翼スタンドへと吸い込まれる先制の今季1号ソロとなり、本拠地は大どよめき。2022年ドラフト1位の一撃に、巨人ベンチも大盛り上がりとなった。

 電撃昇格から即スタメンとなったこの日、緊迫した空気感が漂う中で浅野は驚くほど冷静だった。「前上がったときよりかは落ち着いて試合に入れた。自分の時間をちゃんと使いながらできた」と振り返る。

 今季は5月23日に初の1軍昇格を果たすも、10打数1安打の打率.100と苦しみ、同28日に出場選手登録を抹消されていた。昨季も一時3軍落ちを経験し、29試合で打率.187、2本塁打に終わるなど、味わってきた悔しさは人一倍だ。2軍降格時も「だいぶ悔しかった」と唇を噛み、「守備も走塁もバッティングも、全部レベルアップしないと使ってもらえない」。試合後に1時間の打撃練習を自らに課すなど猛練習の日々を送った。

W杯は「全く……結果もあんまり……」

 今季4試合11打席目で生まれた待望の一発は、その努力の結晶だ。「練習でやっていることが試合ででき始めた。内容にこだわってきた」と確かな手応えを口にする。前夜にスタメンの連絡を受けた際も、「スタメンであることを考えて行動していた。『やっぱりな』じゃないですけど、準備しててよかった」と、入念な「心の準備」が最高の形となって結実した。

 この日のファーストピッチセレモニーには元サッカー日本代表の中澤佑二さんが登場し、世間はワールドカップ(W杯)の話題で持ちきりだ。それでも、浅野は「(W杯は)全く……(笑)。結果もあんまり……」と苦笑い。周囲の喧騒には目もくれず、目の前の白球だけに集中。その視線は自身の未来をシビアに見据えている。

「高卒2年目で、ある程度結果を残さないといけない。来年は同い年の大学生が入ってくるので、その大学生たちよりかはひとつ、段階が上じゃないといけない」

 激しい外野のレギュラー争いが続く中、「今日打てましたけど、明日以降打てなかったら、また(2軍に)戻ってしまう。満足することなく、明日からもより一層気合を入れてやっていきたい」。期待の大砲はさらなる活躍を誓った。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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