山本由伸がマウンドを「怖かった」と語った日 刻まれる野球人生で初めての記憶…エースが探求する“答え”

今やドジャースのエースとして前進する山本由伸【写真:黒澤崇】今やドジャースのエースとして前進する山本由伸【写真:黒澤崇】

優しく微笑み「もちろん今でも覚えています」

 挑戦する心を、いつも持っている。ドジャースの山本由伸投手は27日(日本時間28日)の敵地・パドレス戦に先発し、今季8勝目を狙う。メジャー3年目となった今でも、パドレスと戦う度に思い出す「忘れられない記憶」がある。

「もちろん、今でも覚えていますよ。野球人生で初めて、マウンドに行くのが怖かった。足もガクガクに震えていたし……。楽しいっていう感覚が、少しだけ遠く感じた試合でしたね」

 2年前、2024年の10月11日(同12日)に本拠地で行われたパドレスとの地区シリーズ第5戦。負ければ終わりの試合で、ダルビッシュ有投手と投げ合った。5回無失点でチームは2-0で勝利。悲願のワールドチャンピオンへ、白星を繋いだ。メジャー移籍1年目の出来事だったが「忘れられるわけがないですよ」と微笑む。

 昨季はメジャー2年目でワールドシリーズ連覇に貢献。3勝をマークし、MVPにも輝いた。大舞台でも「いつも通り」を心掛ける。完璧は求め過ぎない。「打たれちゃダメだと考えると、知らないうちに自分を苦しめることになってしまうんです。もちろん、打たれない方がいいですよ。でも、試合中に打たれたりする経験があるから楽しい。次に抑えられる喜びがある。真剣にやっているから、そう感じると思うんですよね」。絶妙な精神バランスが、背番号18をマウンドで強くする。

2年目にはWSの“胴上げ投手”として歓喜の瞬間を迎えた【写真:荒川祐史】2年目にはWSの“胴上げ投手”として歓喜の瞬間を迎えた【写真:荒川祐史】

 登板前日の26日(同27日)はブルペン投球やダッシュで調整を進めた。昨季も“やり切った”が、今季はその先を行く。「ドジャースがワールドチャンピオンになって(最後を)締めくくることができて、すごくやり切ったなという達成感と喜びを感じています。全員が(力を)出し切った。僕は2日連続で投げましたけれど、他の選手もコンディションがギリギリでも、できることを全部やった。気持ちが1つになった結果だと思います」。目指す先には、仲間の笑顔が待っている。

説く睡眠時間の必要性…「パフォーマンスに繋がらないですよ、どんな仕事も」

 登板前日の26日(同27日)はブルペン投球やダッシュで調整を進めた。昨季も“やり切った”が、今季はその先を行く。「ドジャースがワールドチャンピオンになって(最後を)締めくくることができて、すごくやり切ったなという達成感と喜びを感じています。全員が(力を)出し切った。僕は2日連続で投げましたけれど、他の選手もコンディションがギリギリでも、できることを全部やった。気持ちが1つになった結果だと思います」。目指す先には、仲間の笑顔が待っている。

旧知の真柴健記者(右)を見つけて思わず笑顔【写真:荒川祐史】旧知の真柴健記者(右)を見つけて思わず笑顔【写真:荒川祐史】

 クラブハウスからフィールドに向かうために履き替えたスパイクの歯が、タイルの上で滑った。体勢を崩す、まさかのハプニングに「あっぶねー。(摩擦で)火花でた」と頬を緩ませる。

 マウンドに向かう日が決まれば、そこから逆算して調整を進める。移動時間の長いメジャーの世界では“移動休み”ばかり。「休むというのは大切なこと。年がら年中、睡眠を取らずに(しっかりと)動けることはないと思うので。実際、こっち(米国)に来た時、なかなか寝ることができなくて、しんどい思いもしましたから。割り切って睡眠時間を確保しないと、パフォーマンスに繋がらないですよ、どんな仕事も」。夢を見続けた少年の瞳は、海を越えても輝きが褪せない。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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