11失点大敗も…巨人首脳陣に感じた“愛情” 失意の右腕に「また明日!」、杉内コーチが突如かけた言葉

DeNA打線に5失点と打ち込まれた巨人・田中瑛斗【写真提供:産経新聞社】DeNA打線に5失点と打ち込まれた巨人・田中瑛斗【写真提供:産経新聞社】

課題が続出した敗戦も…橋上監督代行らは選手をかばった

 巨人は10日、横浜スタジアムで行われたDeNA戦で逆転負けを喫した。先頭打者への四球が相次いだ投手陣、全てが失点につながった3失策など、課題が噴出した中での厳しい内容となったが、試合後、首脳陣は揃って選手を擁護した。特に杉内俊哉投手チーフコーチが失意の右腕に投げた言葉は、優しさに溢れていた。

 初回にボビー・ダルベック内野手の満塁弾で4点を先制したが、先発のフォレスト・ウィットリー投手は、その裏に2失点。2回は自らの牽制悪送球も絡んで失点するなど、5回3失点で降板した。

 4-3の6回から2番手で上がった田中瑛斗投手は、今季ここまで33試合で防御率0.64、23ホールドと無双していたが、先頭の筒香への四球から4連続安打を浴びて逆転され、さらに無死一、二塁となった状況で降板。0/3回を4安打5失点と打ち込まれた。

 試合後、橋上秀樹監督代行は先頭打者への四球が3度だったことに失点のリスクを説きながらも、田中瑛の疲労を考慮した。「ずっとここまで、ピッチャー陣が頑張ってくれていたので、野手が早めにしっかり点を取って、少しでも援護できるようになれば」とかばった。

巨人・杉内俊哉投手チーフコーチ【写真:加治屋友輝】巨人・杉内俊哉投手チーフコーチ【写真:加治屋友輝】

「0点に抑えればいいって思って僕は送り出しています」

 そして印象深かったのが、杉内コーチの温かい言葉の数々だった。

 田中瑛と、7回に先頭への四球から3失点した赤星優志投手について「まあ、反省ではありますけども、フォアボールを出しても0点に抑えればいいって思って僕は送り出していますから。思って出しているピッチャーはいないんでね。フォアボールはね」と擁護した。

 さらに田中瑛について語っているときだった。足早に帰路につく26歳が過ぎ去っていくのを見つけると、杉内コーチは突然、「瑛斗、また明日!」と大きな声をかけた。翌日以降のリベンジを託したかのような力強さだった。そうして再び、穏やかな口調で報道陣に「今日の結果で評価を下げることは僕はないんで」と言い切った。

巨人のフォレスト・ウィットリー(左)と川相昌弘ディフェンスチーフコーチ 【写真:小林靖】巨人のフォレスト・ウィットリー(左)と川相昌弘ディフェンスチーフコーチ 【写真:小林靖】

3失策がすべて失点につながったが…川相コーチが“感じた”こと

 この日は拙守も敗戦に直結した。ウィットリーの悪送球以外にも、6回には無死満塁で松本剛が左翼で飛球を落球して1点。7回無死一、二塁では犠打を試みた蝦名の打球を一塁手のダルベックが素早い反応で処理して三塁封殺に成功したが、打者走者のアウトを狙った三塁手のリチャード内野手が一塁へ悪送球しピンチが広がると、その後、代打・度会の3ランが飛び出した。

 ベンチで川相昌弘ディフェンスチーフコーチは大きなため息をついていたが、「あれは松本が捕れなかったんだから」。浅い飛球に全速力で前進し、風の影響もあって“バンザイ”する形で後逸したが、これまで高い守備力でチームを救ってきた松本だけに川相コーチは責めることはしなかった。

 リチャードのプレーについても「本人は多分アウトにできると思って投げたんだと思うしね。まあ(ダブルプレーの)チャンスだったからね。チャレンジした結果が暴投だったんでね」。積極的なミスだからこその“不問”とした。

 対DeNAの連勝が「6」で止まり、後味の悪い敗戦となった。厳しい内容の一戦だったからこそ首脳陣は、選手への信頼を滲ませた。蒸し暑い夜に漂った重い空気は、次への糧に変わっていくはずだ。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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