怪物助っ人ブリンソンが明かす激変ライフ 岡本和真と語った神戸の夜、“サカチョー”との絆「忘れない」

2023年に巨人でプレーしたルイス・ブリンソン氏【写真:矢口亨】2023年に巨人でプレーしたルイス・ブリンソン氏【写真:矢口亨】

ブリンソン氏はメディアの世界へ転身「第2の人生を心から楽しんでいる」

 フィラデルフィアで14日(日本時間15日)に行われたMLBオールスター戦で、懐かしの“助っ人”がいた。2023年に巨人でプレーしたルイス・ブリンソン氏。2012年のドラフト1巡目(全体29位)でレンジャーズに入団し、2017年にブルワーズでメジャーデビュー。マーリンズ時代の2018年には俊足・強肩を活かした抜群の身体能力で109試合に出場。11本塁打を放つなど、メジャー通算6年間でマルチな才能を発揮した。

 日本での挑戦となった2023年は巨人で88試合に出場し、打率.248、11本塁打、35打点の成績を残した。その後、2024年にメキシカンリーグでプレーしたのを最後に、惜しまれつつも現役を引退。現在はCBSスポーツなどのメディアで、MLBアナリストや実況・解説者として第2の人生を歩んでいる。

 今回、そんな彼に現役生活の振り返りと、今も色褪せない日本での思い出について話を聞いた。

「今はCBSスポーツや、引退選手を支援するプレーヤーズ・アライアンスで、MLBアナリストやフィールドホストとしての仕事をしているんだ。異なるチームや選手について自分の意見を語る今の仕事は、本当にやりがいがあるし楽しんでいるよ」

 2024年限りで現役を退いたブリンソン氏だが、その表情は非常に明るい。現在グラウンドではバット・グラブからマイクに持ち替え、新たなキャリアを築いている。

「絶対に忘れない」…巨人での最高の思い出と日本の野球から学んだこと

 日本でプレーしたのは2023年のわずか1年間だったが、ブリンソン氏にとって東京での日々はかけがえのないものだった。

「巨人での思い出は本当にたくさんあるよ。日本食、素晴らしい文化、そして熱いファンの皆さん、そのすべてが最高だった。絶対に忘れることはないね」

日本で過ごした1年は濃密でかけがえのない時間となった【写真:矢口亨】日本で過ごした1年は濃密でかけがえのない時間となった【写真:矢口亨】

 中でも、彼の胸に深く刻まれているのが、2023年8月22日、東京ドームで行われたヤクルト戦で放った一打だ。同点で迎えた8回、清水昇投手から左翼席へ勝ち越しの10号ソロを叩き込んだ。打った瞬間に右手を突き上げる確信の一発だった。

「8回に放った勝ち越しホームランだね。サードを守っていたのはムラカミ(ホワイトソックスの村上宗隆内野手)だった。あの時、ファンのみんなが本当に狂喜乱舞して、ものすごく盛り上がってくれたんだ。あの熱狂的な空間の一部になれたことは、本当にクールな体験だったよ」

 また、日本の野球や選手たちの姿勢からは、大きな刺激を受けたという。

「日本の選手たちは本当に野球に対して情熱的だし、何よりプレーや練習に対する一貫性(コンスタントさ)が素晴らしい。仕事に対する姿勢が非常に高くて驚かされたよ。日本の選手は技術的にも精神的にも、とてもバランスが取れているんだ」

巨人で築いた絆…主砲・岡本和真へ贈った「予言」

 短い在籍期間ながら、巨人のチームメートたちとも国境を越えた深い絆を築いた。

チームメートとの深い絆が今も心に残っていると話す【写真:矢口亨】チームメートとの深い絆が今も心に残っていると話す【写真:矢口亨】

「ロッカーが隣だったチョウノ(長野久義)には本当にお世話になったよ。それからサカモト(坂本勇人)はとにかく最高にクールで、プレースタイルも本当にスマートなんだ。彼には独特のカッコいい雰囲気(スワッグ)があるよね。オーラがあって色気がある。本当に大好きな選手さ」

 そして何より、元チームメートである主砲・岡本和真内野手(現ブルージェイズ)の実力には、当時から太鼓判を押していた。

「岡本は本当に信じられないほど素晴らしい選手だよ。巨人にいた頃、遠征先の兵庫で一緒にディナーを食べたとき、彼に言ったんだ」

 ブリンソン氏は、その時に交わした熱い会話の詳細を教えてくれた。

「『お前はいつかアメリカへ行って、めちゃくちゃ大金を稼ぐ男になるぞ』ってね。そうしたら、彼は本当に6000万ドル(約100億円)規模の契約を結ぶような男になった。だから、今の活躍を見ても僕は全く驚かないよ。実力通りさ」

2024年限りで現役を引退した後は米国メディアでMLBアナリストや実況・解説者として第2の人生を歩んでいる【写真:小谷真弥】2024年限りで現役を引退した後は米国メディアでMLBアナリストや実況・解説者として第2の人生を歩んでいる【写真:小谷真弥】

堪能した日本のグルメ「本当に最高だった!」

 今シーズンの岡本へ、そして日本のファンへ向けて最高のメッセージを贈ってくれた。

「これからも40本塁打をクリアして、メジャーのオールスターゲームに出場する姿を楽しみにしているよ」

 最後に、今でも大好物だという日本のグルメについて、満面の笑みで語ってくれた。

「おまかせ寿司と焼肉は本当に最高だった! カルビや牛タンを焼きながら、みんなでお酒を飲む時間はたまらなかったね。あとは、あの赤い豆のペースト……そう、あんこも大好きなんだ」

 元巨人の助っ人が見せた、日本への深い敬意と仲間たちへの友情。「日本のファンのみんな、温かい応援を本当にありがとう。またいつか絶対に会おうね! アリガトウゴザイマス!」。ユニホームを脱いだ今も、ブリンソン氏の心には東京ドームに響き渡ったあのオレンジ色の歓声が、確かに残り続けている。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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