韓国での生活は「妻もすごく気に入っていた」も…キムチに“本音” 米復帰の31歳、今後の日本挑戦を除外しないワケ

  • 小谷真弥
    小谷真弥 2026.08.02
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韓国からメジャーに復帰しメッツで存在感を示すジャレッド・ヤング【写真:黒澤崇】韓国からメジャーに復帰しメッツで存在感を示すジャレッド・ヤング【写真:黒澤崇】

「自分を信じること」異国の地で掴んだ確信

 メッツで好調なシーズンを過ごしているジャレッド・ヤング内野手。メジャー復帰2年目となる今季は、ここまで60試合に出場して打率.250、7本塁打、19打点、OPS.749とまずまずの成績を残している。本職の一塁手に加え、左翼や右翼もこなすユーティリティ性も魅力だ。

 かつてマイナーでくすぶっていた男は、更なる出場機会を求めて海を渡り、韓国プロ野球(KBO)でのプレーを選択した。異国の地で何を学び、どのようにして自身の成長へと繋げたのか。そして、密かに抱いていた日本(NPB)への思いとは——。本人のリアルな言葉から、その素顔に迫る。

 なぜ当時、メジャー傘下の3Aにいたヤングは韓国でプレーする道を選んだのか。当時の決断を冷静に振り返る。

「あの時の自分にとって、それが一番良い選択肢だったんだ。3Aにとどまるよりも、海外へ行ってプレーする方がずっと良い挑戦に思えた。もともと韓国か日本でプレーしてみたいとずっと思っていたから、チャンスが巡ってきた時にすぐ決めたんだよ」

 文化も言語も全く異なる環境でのプレー。その中で得た最大の学びは、「自分自身を信じること」だったという。

異文化での野球は「自分を成長させてくれる」

「韓国での経験から学んだのは、もっと自分自身を信じることだ。文化も言葉もすべてが違う環境だからこそ、自分を信じて、自分のルーティンをより大切にしなければならなかった。違うリーグでもプレーできて、そこで結果を残せるという強い自信を得ることができた」

 環境や野球スタイルの違いも、選手としての幅を広げる糧となった。

「ピッチャーのタイプもゲームのスタイルも違うからね。そういった経験は自分を成長させてくれるし、よりオールラウンドな選手にしてくれたと感じているよ」

 メッツでまずまずの成績を残している今シーズンの好調の理由について尋ねると、謙虚ながらも充実感をにじませた。

「特別な秘密があるとは思わない。良いコーチングがあり、自分を信じられていること。そして何より、以前よりも出場の機会が増えて毎日プレーできていることが大きいね」

「キムチは正直…」も韓国での暮らしは「最高だったよ!」

 グラウンドを離れたプライベートの生活について尋ねると、ヤングの表情は一気に柔らかくなった。妻とともに過ごした韓国での日々は、非常に快適だったという。

「生活は最高だったよ! 妻もすごく気に入っていたね。住んでいた場所がすごく綺麗で清潔だったし、どこへでも歩いていけるし、電車も使える。本当に暮らすのが楽しい場所だったんだ」

 そして話題は、韓国の食文化へ。韓国を代表するソウルフードであるキムチについて振られると、素直でチャーミングな本音を明かしてくれた。

「キムチ? あはは、最初はすごく好きでたくさん食べたんだよ。でも……まあ、途中で『普通かな』ってなっちゃった(笑)。もちろん試してみたかったから食べたんだけどね!」

 キムチ以上にヤングの胃袋を掴んだのは、友人たちとテーブルを囲む韓国スタイルの焼肉だった。

「お肉が本当に美味しかった! 友達と一緒に座って、自分たちでお肉を焼きながら食べるスタイルが大好きなんだ。韓国風のバーベキューは本当に楽しくて最高だったよ。あと、色々と出てくる副菜も、美味しいものもあれば口に合わないものもあったけど、全部試してみるのが楽しかったね」

 野球以外の時間を充実させられたことも、韓国生活を気に入った大きな理由だという。

「街そのものがすごく魅力的だった。人もたくさんいて、お店もたくさんあって、野球以外の時間でも楽しめることが本当に充実していたんだ」

実は「日本」も選択肢? NPB移籍への本音とアジア野球愛

将来的な日本でのプレーにも魅力を感じている【写真:アフロ】将来的な日本でのプレーにも魅力を感じている【写真:アフロ】

 韓国でプレーしたヤングだが、実は日本のプロ野球(NPB)でプレーすることについても当時から意識していたという。

「もちろん、日本でプレーすることについても考えたことはあるよ。探りを入れられたり、調査レベルのものはあったけど、具体的に正式なオファーがあったわけではなかったんだ。何年か前の話だけどね」

 では、もし将来的に日本のチームからオファーが届いた場合、日本でプレーする可能性はあるのだろうか。

「まずはここでできる限り長くプレーしたいと思っている。でも、将来的に日本のチームから話があったとして、断るような選択肢ではないよ。色々な場所でプレーして、野球を通じて様々な人生経験を積むのは素晴らしいことだからね」

 最後に、アジアの野球そのものの魅力について尋ねると、熱いリスペクトを込めて語ってくれた。

「アジアの野球は本当に楽しいよ。ファンの熱量がすごくて観戦スタイルも素晴らしいし、野球に対する情熱を強く感じる。それに、すごく緻密で洗練された野球をするだろ? 素晴らしい守備や無駄な四球を出さない姿勢など、本当に良い野球をしていると思う。僕はアジアの野球が心から好きなんだ」

 一塁や外野を幅広く守りながら、メッツの戦力として着実に結果を積み重ねているヤング。異国の地で自分を信じる強さを身につけた31歳は、アジアで学んだ経験とリスペクトを胸に、これからもメジャーの舞台でフルスイングを続けていく。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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