スクーバル獲得の舞台裏 “悪の帝国”批判に「強く反対する」…ド軍幹部が明かした緊迫の数日間

ドジャースが2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバルを獲得
ドジャースは2日(日本時間3日)、タイガースのタリク・スクーバル投手をトレード獲得したと発表した。ワールドシリーズ3連覇へ向けて、2年連続サイ・ヤング賞左腕を獲得する大型補強。チーム編成を統括するアンドリュー・フリードマン編成本部長が報道陣の取材に応じ、電撃トレード成立に至る舞台裏と決断の背景を語った。
「いつ決着するか分からない状態だった」
フリードマン氏は緊迫した交渉の数日間をそう振り返る。本格的に動きを見せたのは7月31日(同8月1日)の金曜日。「双方の意見交換がより活発になり、さまざまな会話が一気に加速した」と明かす。
先発陣には信頼を寄せつつも、シーズン終盤やポストシーズンの情勢は不透明だ。「チームの優勝する確率を大きく引き上げられるトップクラスの選手が獲得可能な状態であれば、我々はアグレッシブに動き、最高のポジションを目指すまでだ」と強調。強い意志で交渉に臨んだ。
タイガース側とのやり取りは最後まで予断を許さず、「感情が高ぶりすぎたり落ち込んだりしないよう、静かに結果を待っていた」という。潮目が変わったのは1日(同2日)のレッドソックス戦中だった。「正式に獲得の報告を受けた」。トレード期限が迫る中での合意劇を明かした。
交換要員は、27歳のリバー・ライアン投手、球団傘下トップクラスの有望株であるザイロ・ホープ外野手、21歳のブレイディ・スミス投手。有望な若手選手を手放す出血を伴ったが、「現在のチームの核が置かれている状況とこのタイミングを考慮した時、リスクを取ることが最も理にかなっている」と説明した。
一方、「球界を壊している」などの大型補強への批判や反発に対しては「その意見には強く反対する」と即座に反論。「これは、毎日5万人集まって熱狂的に応援してくれるファン、そして世界一を目指して全力を尽くしているクラブハウスの選手たちとの深い結びつきによるものだ」と語り、スカウトや育成など球団全体の努力の成果だと胸を張った。
大谷翔平投手らの復帰プロセスにも言及。「シーズン終盤に全員が健康で強い状態で揃い、誰を登板させるかという最高に贅沢な悩みを抱えられるのがベストだ」と笑みを浮かべた。
朗報を受けたチーム内は歓喜に包まれたという。スクーバルについて、「昨年のポストシーズンで見せた圧倒的な投球、あのエネルギーとマウンドでの支配力は素晴らしかった。彼がドジャースのユニホームを着て投げる姿を見るのが、今から待ちきれない」。常勝軍団の頂点を見据え、言葉に力を込めた。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)