8月1日に今季1軍初昇格…5日の阪神戦に初スタメンで2安打2打点
DeNAの関根大気外野手が5日、横浜スタジアムで行われた阪神戦に「7番・中堅」で今季初めてスタメン出場。4回の第2打席に防御率1点台の難敵・高橋遥人投手からカーブを右翼線へ運ぶ適時二塁打を放った。
今季1軍4打席目にして待望の「H」ランプを灯した。左腕を突き上げ「ファームでは追い込まれる前にしっかり前に打球を飛ばすことをテーマに取り組んできたので、結果として出すことができてとてもうれしいですし、感謝の気持ちしかありません」と安堵。6回には早川太貴投手から右前適時打を放った。
6月に31歳になり、ベテランと呼ばれる域にいる。プロ13年目を迎えた今季、8月1日に今季初めて1軍に昇格するまで、長い2軍暮らしが続いていた。
2軍では55試合で188打席に立ち、打率.318、OPS.872の好成績をマークしている。月間打率を見てみれば、3・4月が20試合で.279、5月は12試合で.229とやや調子を落としたものの、6月12試合で.417、7月11試合で.387と打ちまくった。それでもなかなか声が掛かることはなかった。そんな現実を、関根はこう振り返る。
「苦しい? 全然。今までの12年間、自分がその立場にしていただけだから。今年(2軍で)200打席弱立たせてもらっていることが、もうありがたいこと。だから3割5分で上がれないならもっと打つしかない。4割打てばいい。それで行けなかったら4割5分打つしかない。それだけのことです」
「結果を出す意義というか、自分だけじゃなくいろいろなところにある」
調子が良くても、別の人が1軍に上がっていく。何人もの背中を見送った。それでも、腐ることなく入念な準備、考える練習を続けたからこそ「自分の中で成長を日々感じながらやれていた。そこをずっと求めていたから」と涼しい顔で言うことができる。
そして今回の1軍昇格にあたって、関根はある“覚悟”を持って来た。
「見ている人は見てくれていたと思う。ずっとファームにいたけど、当たり前だけどやるべきことをやり続けてきた。僕が結果を出せれば、ファームの子たちにとってもすごく価値のあることになると思うから、それを成し遂げたいなと思っています。どう受け取ってくれるかはその人たち次第だけど、上で数字を出せれば、ファームの人たちにとってすごく大きいんじゃないかなって勝手に思っているんです」
ファームでともに汗を流した若手に、恥ずかしくない背中を見せてきた自負がある。1軍行きが決まった際には、多くの後輩たちから「マジで頑張ってください」「やっと来ましたね」など力強い言葉で送り出された。「今回は今までと違って本当にいろいろな人が言ってくれて、だから結果を残す意義というか、自分だけじゃなくいろいろなところに意義があると思っているんです」と真剣な眼差しを向けた。
ヒントは5月の有原との対戦前「できていたことに気付いて」
2023年は140試合で打率.361をマークしたが、2024年は79試合で.242と成績を落とし、昨季はわずか5試合で.174に終わった。「2023年もそうだけど、ヒットを打たせてもらっていたけど変え続けた。それで戻れなくなってしまった。決めてやり続けたことは、数字が出ているのであればわざわざ変えることではないって気付いて。それをずっとここ数年探していたんです」。
“答え”は突然やってきた。5月5日のファーム交流戦・日本ハム戦。スターティングメンバーではなかったが、相手先発・有原航平投手との対戦に備えて過去に対峙した2023年の映像を見ているときのことだった。
「打ち方も変わっているからあまり見ていなかったんですけど、久しぶりにその頃の映像を見たんです。そうしたら探していた動きができていたことに気付いて。つくりにいかなくても、自然と打ちにいったらそういう体の使い方になっている。打てていた頃だし、これをもう一回やればいいなって。今の考え方とも合っているし、プラス、前よりもいろいろ考えてやれているので」
思考の変化もあった。これまでは凡退すると「こういう動きをつくりたい」など、“足し算”で修正を試みようとしていた。それが「この動きが凡打を生んでいるから無くそうとか、ここが遅れを生んでしまったからやめようとか、今は常に“引き算”です」と説明する。
「結果が出なかったら『これじゃあダメなのか』と思ってしまう人も」
大野貴洋2軍野手育成コーチからは、常に「1軍に行ったときに」という言葉とともに指導を受けてきた。その一言は、関根にとっても大切にしてきたことだった。
「それを持ってここに挑んでいるから、やっぱり結果にしないと大野さんや、村田(修一2軍監督)さんにも失礼というか。やってきたことを皆さん知っているから、結果が出なかったら『あれ、これじゃあダメなのか』と思ってしまう人もいるかもしれない。サポートしてくださった方も喜んでもらえるように、そうしないといけないですね」
本拠地のカクテル光線に照らされ、久しぶりに関根の笑顔が輝いた。その姿はきっと、ファームで戦ってきた仲間たちの道しるべになる。
(町田利衣 / Rie Machida)