引っ張り打球急増で長打開眼 球界屈指のバント技術と融合…ロッテ・小川龍成の劇的変貌

劇的に変わった小川龍成の打席アプローチ
2020年ドラフト3位でロッテに入団した小川龍成内野手は、今季大きな飛躍を遂げている。プロ入り当初は守備固めや代走での起用が中心だったが、2024年以降はスタメン出場の機会が増加。プロ入り6年目を迎えた今季は5月に月間打率.327をマークし、一時はパ・リーグの首位打者に躍り出るなど、打撃面での成長がうかがえる。今回はそんな小川のバッティングを掘り下げる。(数字はすべて7月26日終了時点)
まず打席でのアプローチに変化が見られる。ファーストストライクに対するスイング率は、昨季まではリーグ平均を10ポイント近く下回る34%前後を推移していたが、今季は40.1%まで上昇。浅いカウントから積極的に仕掛ける打席が増加した。
さらに、1打席あたりの投球数を示すP/PAは3.78まで減少。相手に球数を投げさせる粘りのバッティングは小川の持ち味の1つだが、今季は早いカウントで決着する打席が多くなっている。
球方向の割合も変化した。昨季まではセンターから左方向への打球が全体の7割以上を占めていたが。今季は右方向の割合が前年から9ポイント近くアップ。特に内角球に対しては、右方向への割合が昨季の37.9%から48.1%まで上昇し、引っ張る打球が顕著に増えている。
一方で外角球に対しては、逆方向への割合が前年より約2ポイント高い37%を記録。コースに逆らわないスタイルを維持しつつ、効果的に引っ張り打球を増やしている。
警戒を切り裂く驚異のセーフティ
一般的に引っ張り方向の打球はフライとなりにくく、今季のリーグ平均でも逆方向へのフライ割合が66.7%であるのに対し、引っ張り時は34.5%まで下がっている。その傾向を踏まえると、引っ張り打球の増えた小川はフライ割合が低下しそうだが、実際には前年からフライ割合がアップ。特に引っ張り時のフライ割合は、昨季の21.1%から34.1%へと上昇した。
好結果となりやすい角度のついた引っ張り打球が増加したことが打力の向上、ひいては打撃成績の改善に結びついている。昨季までは1シーズンの長打が最多でも2本だったが、今季はすでに二塁打を6本、三塁打もプロ初を含む2本放っている。
さらに、小川といえばバントヒットでの出塁を思い浮かべる人もいるはず。「2024 スカパー! ドラマティック・サヨナラ賞 年間大賞」に輝いた2024年7月30日の西武戦で見せた、2死満塁からのサヨナラセーフティスクイズをはじめ、直近3年間のバントヒット数はリーグトップの14本を記録。新たな打撃スタイルを見せている今季も、すでに5本のバントヒットをマークしている。相手に警戒される状況でも決める技術や、隙を突く判断力は小川選手の大きな強みである。
サブロー監督のもと迎えた今季は、ここまで二塁のレギュラー格として出場を続けている。打撃成績の向上に加え、定評のある守備でも無失策を継続するなど、走攻守に頼もしい選手へと成長を遂げた。マイナビオールスターゲーム2026のファン投票では二塁手部門の1位に輝き、自身初のオールスター選出を果たした。今後もグラウンドで躍動し、チームを上位へと押し上げる活躍に期待がかかる。
(「パ・リーグ インサイト」データスタジアム編集部)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)