岡本和真らに見える「文化の素晴らしさ」 Bジェイズのエース、自称“名誉日本人”が魅了されるワケ…説いた「正真正銘の特徴」

  • 佐藤直子
    佐藤直子 2026.08.08
  • MLB
ブルージェイズで先発陣を牽引するディラン・シーズ【写真:ロイター】ブルージェイズで先発陣を牽引するディラン・シーズ【写真:ロイター】

ブルージェイズ先発陣を牽引するシーズに独占インタビュー

 今季からブルージェイズに加入し、チーム最多7勝を挙げて先発陣を牽引するのはディラン・シーズ投手だ。南部ジョージア州に生まれ、イチロー氏の活躍に憧れながら育った右腕は、ホワイトソックス、パドレス、ブルージェイズと渡り歩きながら、数多くの日本人選手の姿を目にしてきた。共闘・対戦を繰り返す日々の中で、日本人選手に共通する“スタイル”に気づいたという。

 2024年から2シーズンを過ごしたパドレスではダルビッシュ有投手と松井裕樹投手、今季はブルージェイズで岡本和真内野手と同僚に。不調のブラディミール・ゲレーロ内野手に代わって打線を牽引する岡本を「最高。彼は間違いなくスタープレーヤーだ」と手放しに称える。

「岡本は影響力のある打者。パワーがあるのは日本で積み上げた成績を見れば分かること。パワーこそ最大の特徴だと思う。でも、メジャーでもパワーを発揮し、打点も稼ぐとなれば、また別の話。つまり、勝負強さを備えた打者だと感じているんだ」

子どもの頃はイチロー氏が憧れ

 子どもの頃に憧れたイチロー氏は「もちろんスピードがズバ抜けていた」と即答したが、次の瞬間には“上方修正”。「いや、スピードに限らず全部だね。いかようにも、なりたい自分になれる人だから」と懐かしそうに振り返る顔は、当時に戻ったかのよう。目には野球少年の輝きが浮かぶ。

 岡本とイチロー氏。打席でのスタイルはまったく違う2人に思えるが、シーズに言わせると「日本人選手は投手も打者もみんな、ある意味ユニークなスタイルを持っている」という。どんなスタイルかというと……。

今季から岡本(左)とともにプレーしている【写真:ロイター】今季から岡本(左)とともにプレーしている【写真:ロイター】

「マウンドでも打席でも、日本人選手の所作は流れるように美しく見えるんだ。柔らかで優雅さすら漂うスタイル。動きがスムーズで流れるようだ。日本人選手で投球動作や打撃動作がカクカクしている人はまずいないし、無駄な動きがない。『これぞ、正真正銘の日本』と呼べる特徴じゃないかと思うし、実にクールで興味深く感じているんだ」

日本人選手の所作の中に見る「日本文化」の影響

 確かに、メジャーでプレーした日本人選手を思い返すと、一世を風靡した野茂英雄氏のトルネード投法や、イチロー氏の投手に向かってバットを立てるスタイルなど、個性的な所作はあれど、不自然でぎこちなさを感じるものは記憶にない。この理由について、日本文化に魅了されているという剛球右腕は、次のように分析してみせた。

「日本はクラフツマンシップ(職人技)がとても大切にされる文化だと考えていて、そのクラフツマンシップや高い質へのこだわりのようなものが、野球にも影響を与えているんじゃないかと思うんだ。日本製の車だって、アートだってそう。だから、野球でも所作の美しさの中に日本文化の素晴らしさが光っているんじゃないかって」

 聞いてみれば、シーズは日本文化に魅せられて、名誉会長ならぬ“名誉日本人”を自称するほどハマっているという。近い将来、初来日の夢を叶えることが待ちきれないという30歳右腕がまとめた日本人選手考察。当事者の日本人では近すぎて持ち得ない視点を、チームを代表する投手が持っていたことが、なんだか嬉しく、少し誇らしい気分になった。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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