岡本和真のパワーを生む“ギャップ” 大谷翔平を凌ぐ強み…ブ軍コーチが驚いた光景「ダンサーのよう」

1年目から大砲ぶりを発揮しているブルージェイズ・岡本和真【写真:ロイター】1年目から大砲ぶりを発揮しているブルージェイズ・岡本和真【写真:ロイター】

エンゼルスにも在籍したブテラ・コーチが見る岡本の強み

 メジャー1年目から24本塁打(8月10日時点)をマークしているブルージェイズの岡本和真内野手。試合前に行われる打撃練習で次々と打球をスタンドに着弾させる光景は、敵地ファンですら感嘆の声を漏らすほどだ。時には打撃投手として岡本の練習をサポートするドリュー・ブテラ・コーチは、その様子を見ながら「あの力感のないフォームに潜むパワーの大きさに、みんなビックリするんだろう」と、我がことのように誇らしげに胸を張る。

 現役時代は捕手だったブテラ・コーチは、イタリア代表としてWBCに2度出場。引退後はエンゼルスでブルペンコーチを務め、ホワイトソックスを経て、今季からブルージェイズに加入した。エンゼルス時代には大谷翔平投手の活躍を至近距離から見ていた1人でもある。

「翔平は足をほとんど上げないタイプだけど、岡本は足を上げてタイミングを取るタイプ。左右の違いもあるし、打撃フォームの見た目は全く違って見えるけど、2人ともボールに対するアプローチは同じ。パワーを生かしながら打球を広角に打ち分ける能力の高さは、とてもよく似ていると思う」

1年目から20本塁打の大台をクリアした岡本和真【写真:ロイター】1年目から20本塁打の大台をクリアした岡本和真【写真:ロイター】

 二刀流の活躍で数々の記録を打ち立て、歴史やルールを変えてきた大谷は「GOAT(Greatest of All Time・史上最高)」の呼び声も高く、メジャーでも一目置かれた存在だ。だが、岡本にはそんな大谷をも凌ぐ強みがある、とブテラ・コーチは太鼓判を押す。

「岡本は非常にスムーズで力みのないスイングをしている。あの力感のないフォームは素晴らしい。一振りすると打球は驚くほどのパワーを持ってスタンドに向かって飛んでいく。そのギャップにみんなビックリするんだろう。それこそが彼の特徴であり、強みでもあると思うんだ。力に物を言わせたスイングではなくて、非常に美しいスイング。まるでビューティフル・ダンサーのようにリズミカルで美しい。なかなか身につけようと思ってできるものではないから」

「むしろ驚いたのは守備の良さ」、コーチが太鼓判を押すワケ

 岡本がここまで見せたパフォーマンスについて「打席での貢献は何の不思議もない。春キャンプでの様子を見て、かなりのシーズンになるだろうと思っていたから」と納得の様子。地元メディアでもたびたび報じられているが、「むしろ驚いたのは守備の良さ」だという。

「三塁守備の上手さは言うまでもないが、一塁ではどんな送球もしっかりミットの中に収めてしまう。簡単なように見えて、ショートバウンドや中途半端なバウンドの送球をすくい上げるのは難しい。これを涼しい顔でやり遂げてしまう姿には正直驚いたし、チームにとっても期待以上だったはず。おそらく、岡本は何をやらせても上手い選手なんだろう。本当は盗塁だってもっと出来るんじゃないかって思ってるんだ(笑)」

三塁守備で安定したプレーを続ける岡本和真【写真:ロイター】三塁守備で安定したプレーを続ける岡本和真【写真:ロイター】

 現在、チームは17連戦の真っ只中で、岡本は8日(日本時間9日)のフィリーズ戦で、12日ぶりにスタメンを外れた。今季24号が飛び出して以降、やや精彩を欠く場面が増えてきたが、ジョン・シュナイダー監督は「オーク(岡本の愛称)は心身ともに疲れているだけ」と思いやる。

 指揮官が指摘するように、時差を伴う移動と日本にはない連戦による疲労、慣れない環境で過ごす緊張感は少しずつ体に蓄積されているはずだ。移籍1年目で迎えた踏ん張りどころ。美しいダンサーのようなスイングで乗り越えていくことを期待したい。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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