フロリダ大時代に二刀流として大きな注目を集め、2024年のMLBドラフト1巡目(全体6位)でロイヤルズに加入したジャック・カグリオーン内野手。デビュー2年目のシーズンはすでに20本塁打をクリアするなど、スター街道を駆け上がっている。
「体重は実は減ったんだ。外野を守る機会が増えて走る量が増えたことや、健康状態が良好なのが好調の理由だと思う。去年はケガをしていたので、怪我の最中に数ポンド増えてしまって……。でも今年は絞れていて、去年の255ポンド(約115キロ)くらいだったけど、今年は245ポンド(約111キロ)ほどだよ」
ベンチプレスはマックスで365ポンド(約165キロ)、スクワットは680ポンド(約308キロ)をあげる。シーズン中も高重量のトレーニングで鍛え上げているという。
二刀流(Two-way)のポジションでドラフト指名を受けたカグリオーンは、早期のメジャー出場を優先させるチームの方針で野手に専念。昨年メジャーデビューを果たした。62試合で打率.157に終わったものの、起用され続けたことでメジャーリーガーの球に慣れることができた。
8月13日(同14日)時点で、打っては21本塁打、OPS.806の好成績。平均打球速度は93.2マイルで、大谷翔平(93.4マイル)に次ぐメジャー全体9位の数字を叩き出している。
残る二刀流への思い「ずっとあるんだ」
学生時代は最速100マイル(約160.9キロ)を投げる左腕としても注目を集めた。チーム事情で野手に専念中だが、二刀流への思いは消えていない。
試合前、チームメートとキャッチボールする最中には、遊びで変化球を投げることもある。「(投手をしたい気持ちは)変わらないよ。良いピッチャーでいたいという思いはずっとあるんだ」。仮にチームから許可が出れば「挑戦したいね!」と語る。
8月10日(同11日)からは、大谷が所属するドジャースとの3連戦に臨んだ。大谷、カグリオーンがそれぞれ本塁打を放ち、球場を沸かせた。
二刀流として前半戦を過ごした大谷については「素晴らしいですよ。投打の両方で本当に見事な成績だよね。無事に健康な状態でマウンドに戻ってきて、シーズン最後まで強い投球を見せてほしいね。彼が打てるのは誰もが知っていますし、打撃に関しては何の心配もないですから。復帰した時に万全の状態で、シーズン終了まで走り抜けてくれることを願っています」と笑顔。いち野球ファンとして活躍に胸を躍らせている。
スマホを取り出し「この選手だよ」、日ハム左腕と相互フォロー
カグリオーンは2023年に米国で行われた「第44回 日米大学野球選手権大会」で大学日本代表と対戦。当時の米国代表にはカグリオーンのほか、トレイ・イェサベージ、チャーリー・コンドン、JJ・ウェザーホルト、ブレイデン・モンゴメリーら2024年ドラフトで1巡目指名を受けた選手がズラリと揃っていた。
一方の日本代表も下村海翔投手(阪神)、常廣羽也斗投手(広島)、武内夏暉投手(西武)ら1位指名を多く輩出。カグリオーンは初戦で下村から飛距離440フィート(約134メートル)、打球速度116マイル(約187キロ)の特大弾を放っている。
結果的に同大会は、5試合で3勝した日本代表が優勝した。
「本当に強かったです。ピッチャー陣はみんな球が速かったですし、大柄な選手ばかりというわけではないのに、みんな凄く打てるしパワーもありました。投手陣もみんな95マイル(約153キロ)くらい投げていましたね。どんな練習をしているのか聞いたら、チューブトレーニング中心で、重いウエートはあまりやらないと言っていて驚いた」
「みんな体の使い方がすごく効率的で滑らかだったし、彼らのコンディショニングや体の使い方には学ぶべきところがたくさんある。とにかく怪我をせず、体のキレが抜群に良いので、本当に感銘を受けました」
続けてカグリオーンは、「ひとり、仲良くなって少し話したピッチャーがいたんだよね……」とスマホでインスタグラムを開き、フォロワーを遡った。その投手とは細野晴希投手(日本ハム)。カグリオーンと同じ左投手だ。細野からは2安打を放ったが、投球は印象的だったという。
「エグかったです! 本当に凄かった。彼は自分のスプリットや、フォーシームの伸びについて説明してくれた。97マイル(約156キロ)くらい投げていた記憶があります。左投手で、対戦したのを覚えているよ」
USAのユニホームを身に着けてから3年。父がイタリア人のカグリオーンは、第6回WBCにイタリア代表として国際大会に出場し、4強進出に貢献した。
「最高でした。ここ最近の野球人生の中で、一番楽しかったと言ってもいいくらいです。日本やアメリカのような超強豪国もいるなかで、準決勝まで行けたのは歴史的なことでした」
「次のWBCもすごく楽しみにしているんだ」。今回は対戦がなかったが、いつか日本代表の前に立ちはだかる日が来るかもしれない。これからのメジャーを背負っていくであろう逸材の成長から、目が離せない。