村上宗隆に「日本では私をもてなすんだ」 “口の悪さ”も魅力!?…井口資仁のために涙を流した男、ギーエンの人情味
2005年、ワールドシリーズを制覇したホワイトソックスのオジー・ギーエン監督(右)と井口資仁【写真:アフロ】野球日本代表「侍ジャパン」トップチームを率いることになった井口資仁監督には、師と仰ぐ人物が2人いる。1人はダイエー時代の恩師であるソフトバンクの王貞治会長、そしてもう1人は、ホワイトソックス時代の恩師、オジー・ギーエン氏だ。ベネズエラ出身のギーエン氏が、現役時代、そしてワールドシリーズ制覇を果たした監督時代につけていた背番号「13」は、ホワイトソックスの永久欠番となり、8日(日本時間9日)に式典が開催された。現在は解説者として自由すぎるコメントで人気を博する名将が、愛弟子・井口監督に金言を送った。
井口監督は理想の監督像を聞かれると常々、万年Bクラスだったダイエーを常勝チームとし、勝者の文化を根付かせた王会長、そして類い稀なるコミュニケーション能力でチームをまとめ上げ、世界一へと牽引したギーエン監督のいいとこ取りをしたい、という話をする。ギーエン氏のコミュニケーション術の一例を紹介しよう。
永久欠番記念式典に参加したオジー・ギーエン氏【写真:アフロ】本拠地でのレッズ3連戦の最終日、デーゲームが始まる前に、放送席と記者席のある5階までギーエン氏と同じエレベーターに乗り合わせた。10人ほど乗っていてほぼ満員。だが、ちょうど誰もがエレベーターを使いたい時間帯だったのか、各階で扉が開いた。2階では40歳ほどの男性清掃スタッフが2人、立っていた。すると、ギーエン氏は……。
「階段を使え、階段を! まだまだ20代だろ、この若造が!」
言った側も言われた側も爆笑で扉が閉まると、次の階では若い女性職員の姿が。すると……。
「階段を使いなさい! お嬢さん、君はまだ15歳にしか見えないぞ!」
ここでも大爆笑。ファンであれ、球場スタッフであれ、メディアであれ、分け隔てなく声をかけ、辺り一帯を笑いの渦に巻き込む。地元紙「シカゴ・トリビューン」の大ベテラン、ポール・サリバン記者は「口の悪さは否めないが、声を掛けられた人の一日を明るくする稀有な存在だ」と語る。
先日の永久欠番記念式典では、親日家のギーエン夫妻に、東京~シカゴの往復航空券が贈呈された。すると突然、ホワイトソックスベンチの奥に控えていた村上宗隆内野手を呼び出し、こう言った。
(佐藤直子 / Naoko Sato)
