阪神ドラ1が捨てた“過去の栄光” 野手転向で激変した日常…西純矢が直面する壁「単純に力がない」
2025年秋から野手に転向した阪神・西純矢【写真提供:産経新聞社】劇的に変わった日常…痛感する“打撃の難しさ&掴み始めた成長”
華やかなマウンドから、泥にまみれる外野手へ。プロ野球の世界において、投手から野手への転向は珍しいことではないが、成功を掴む選手は一握りだ。昨年秋、阪神の西純矢は投手から外野手へ。育成選手として再スタートを切った。150キロを超える直球と鋭いフォークを武器に、高卒1年目から1軍マウンドを経験。4年間で通算12勝を挙げた右腕は、自らの意思でバット1本で生きる道を選んだ。
創志学園高(岡山)では甲子園で活躍し、侍ジャパン「U-18日本代表」にも選出。 2019年ドラフト1位で投手として入団した。しかし、昨年オフに背番号「15」は剥奪され、育成選手の証である3桁番号の「120」に変わった。高校時代から非凡な打撃センスを披露していたとはいえ、プロの野手としての道のりは想像以上に険しい。突き抜けるような青空から強烈な日差しが照りつける2軍グラウンドで、西純は黙々とバットを振り続けていた。打者転向から約10か月。24歳の現在地に迫った。
マウンドに立っていた頃、先発投手としてのルーティンは週に1度の登板に合わせての調整だった。しかし、野手転向により日常は劇的に変わった。1週間に6試合、終わりのない反復練習。酷暑の中、その過酷さを肌で感じている。
「1日がすごい長いので、体力的なところで違いを感じます。投手の先発をやっていた時の1週間に1回と、週6日の試合というのは全然違いますね。特に今の時期はすごく暑いので、梅雨ぐらいからは『体の動きが悪いな』と思ったりもしました。体重も減りすぎてしまって、今はだいぶ戻せました」
疲労感を隠さない一方で、充実感も滲ませる。野手としての技術、特に守備や走塁については「ある程度、わかってきた」と手応えを口にする。だが、最も重要な打撃に関しては、プロの壁の高さを痛感しているようだ。
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「打撃は自分のイメージしていたよりも全然、難しいなというのはあります。でも、ちょっとずつ成長は感じていて。打撃はなかなか成長を感じないものだと思うんですけど、やり始めてから飛距離なども伸びてきた。まだ本塁打は出ていないですけど、ちゃんと段階は踏めているのかなと自分では思っています」
投手であれば、感覚を掴み一気に1軍で投げられるようになることもあるという。だが、打撃技術は一朝一夕には身につかず「崩れるのも早いと思う」と冷静に分析。「下積みの時間」が何よりも大切だと語る。焦らず、一歩ずつ。今はただ、己の現在地を踏みしめている。
7月末の支配下登録期限が過ぎ「多少なりとも目標にはありました」
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)
