ヤクルト池山隆寛監督に「伝えてくれ」 元助っ人ハドラー氏が希望するコーチ就任…明かすゲテモノ食いの真相、涙流した解雇

ミミズを食べる真似をするレックス・ハドラー氏【写真:黒澤崇】ミミズを食べる真似をするレックス・ハドラー氏【写真:黒澤崇】

1993年にヤクルトでプレーしたレックス・ハドラー氏

 1993年に野村克也監督のもと、ヤクルトのリーグ優勝と日本一に貢献したレックス・ハドラー氏は、現在ロイヤルズ戦を放送する「ロイヤルズTV」で解説者を務めている。「本当に楽しかった! 俺の中には今でも日本の心が残っている」。日本人の記者を見つけると、顔を紅潮させて日本への感謝を語りだした。

 当時のチームには古田敦也、池山隆寛、飯田哲也、広沢克己、ジャック・ハウエルら豪華メンバーが揃っていた。ハドラー氏は主に「8番・二塁」で出場。120試合で打率.300、12本塁打64打点の成績を残した。

 及第点の成績は残したものの、チームの事情もあって結果的に1年で日本を去ることになる。

「解雇になった時は泣いたよ。泣いたのはあの時だけだ。妻も泣いていたよ。野球人生で何度も味わったけど、泣いたのは日本を去る時だけだった。それ以来、ずっと日本に戻りたいと思っている」

 退団後はエンゼルス、フィリーズでプレー。エンゼルス3年目の1996年にはキャリアハイとなる16本塁打、打率.311の好成績も記録した。

「日本から帰国した後にメジャーで最高のシーズンを送ることができた。35歳で3割以上打てたのは、日本で学んだことのおかげだよ。俺はより良い選手になれたんだ。メジャーに戻った時はボロボロだったけど、シュートやシンカー、スローカーブの回転を見極めるうちに上達したんだ! 帰国してから絶好調だったよ。だから俺の野球人生において、日本での1年はとても大切だったんだ」

“ゲテモノ食い”で話題に「ファンが俺を覚えていてくれるだけで嬉しい」

ハドラー氏(右)、古田敦也氏、池山隆寛氏など豪華メンバーが揃っていたヤクルト時代【写真提供:産経新聞社】ハドラー氏(右)、古田敦也氏、池山隆寛氏など豪華メンバーが揃っていたヤクルト時代【写真提供:産経新聞社】

 ハドラー氏と言えば、当時球場にいたミミズを食べたことが記事になりファンにインパクトを与えた。

「オフの月曜日だった。雨が降っていてね。スタンドには誰一人いなかった。俺たちはグラウンドの端に集まっていて、人工芝の上にミミズが1匹落ちてたんだ。チームメートのジャック・ハウエルがミミズを拾い上げてみんなに声をかけたんだ。『レックス・ハドラーに金を払えばミミズを食うぞ! いくら出す? 金を賭けろ!』ってね」

「俺は『うわ、嘘だろ!?』って思ったけど、『まあいいか……』と思ってさ。そしたら日本の選手たちも『おおー! いいぞ、いいぞ!』って盛り上がって、みんなで金を出し合ってまとまった金額になったんだ。俺はミミズを口に放り込んで噛みつぶし、みんなの方を見ながら腕立て伏せをしてみせた。みんな大爆笑してさ」

 ハドラー氏を「ミミズを食べた男」として記憶しているファンも多いだろう。

「どんな形であれ、ファンが俺を覚えていてくれるだけで嬉しいよ。たった1年しかプレーしてないし、もっと長くプレーして優れた成績を残した外国人選手はたくさんいるのに、俺は1年しかいなかったのにミミズを食べたことで覚えられてるんだからさ!(笑)」

「俺の写真、イケヤマに見せてくれ」ヤクルトのコーチに就任希望

 ヤクルトに在籍した1年間、二遊間を組んだのは池山氏だった。現在ヤクルトの監督を務めていることはもちろん把握済だ。

「イケヤマに伝えてくれよ! 俺はコーチをやりたいんだ。俺のこの写真を見せてくれ! スタイルもキープしているからな!」

「写真を撮ってくれ!」笑顔を見せるハドラー氏【写真:上野明洸】「写真を撮ってくれ!」笑顔を見せるハドラー氏【写真:上野明洸】

 現在は65歳。解説者として試合前には監督の会見に参加し、コーチとの会話をメモに取るなど、熱心にグラウンドを動き回る。ヤクルトを退団して以降は、日本を一度も訪れていないという。

「まだ体調も万全だし手伝える。内野守備コーチでも、メンタルコーチでもいい。野球との向き合い方や日々の厳しさをどう乗り越えるかを教えたい。メンターになりたいんだ」

「俺の写真、イケヤマに見せてくれ。もし彼から『ヘイ、ハド! スペシャルコーチになってくれ』と電話が来たら、『ありがとう』って即答するよ。通訳がいれば試合の意図も伝えられる。イケヤマから電話が来たら泣いちゃうね」

 日本について喋りだしたら止まらない。ちょっとした立ち話のつもりが、いつの間にか20分が経っていた。「日本に住みたいよ、妻を連れてね。いつでも行く準備はできている。ヤクルトは今、何位なんだい? 今日試合をチェックしてみるよ」。上機嫌で解説席へと戻っていた。

(上野明洸 / Akihiro Ueno)

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