ライオンズ史に名を刻む「Mr.レオ」栗山巧の“異能” 球団最多の「1052」…驚異の94.9%

西武・栗山巧【写真:球団提供】
西武・栗山巧【写真:球団提供】

球団史に名を刻む鉄人の歩み、稀代の選球眼と驚異のスタメン率

 8月30日、西武・栗山巧外野手の引退試合が行われる。西武一筋25年、積み上げた安打は2151本。安打数を筆頭に、数々の球団歴代1位に名を連ねるレジェンドのラストゲームだ。今回は、長きにわたる栗山の歩みを振り返る。(数字はすべて23日終了時点)

 プロ3年目の2004年に1軍初出場を果たすと、翌年には84試合に出場。22歳という若さで打率.297を記録するなど、その後の活躍を予感させる好成績を残している。

 栗山の武器の一つに選球眼があるが、その片りんは若手時代からうかがえる。3打席のみだった2004年を除き、ボールゾーンスイング率は2007年まで常に20%前後を記録した。

 当時の栗山と同じ24歳以下の選手のリーグ平均と比べるとその低さは歴然で、同世代トップクラスの数字だった。レギュラー定着前から発揮していたこの類いまれな能力が、NPB歴代16位(球団1位)となる1052四球の源泉となった。

 2008年には初めて規定打席に到達し、打率.317の活躍でチームの日本一に貢献。主力となったこの年以降、ベストナインに4度、ゴールデン・グラブ賞に1度輝くなど、数多くの実績を積み重ねた。この全盛期で特筆すべきは、怪我による欠場がほとんどない点だ。

 2008年から2016年までの9シーズン、スタメン出場割合は94.9%を記録。2位以下を大きく離してリーグ1位となった。どれだけ優れた能力を有していても、試合に出られなければ宝の持ち腐れとなる。日々の自己管理を怠らない高いプロ意識が生み出した鉄人ぶりも、レジェンドたる所以だ。

打順を問わないユーティリティ性、パ・リーグ現役最多タイを誇る勝負強さ

 通算の打順別スタメン出場割合では、1番から9番までの全打順で出場しているだけでなく、割合が10%以上の打順が6つと偏りが少ない点も特徴的だ。

 四球を獲得する選球眼、小技をこなす器用さ、通算6度の2桁本塁打を記録したパンチ力。さまざまな能力を兼備した選手だからこそ、多くの打順を任された。先述した体の強さと合わせて、首脳陣にとっては毎試合メンバー表のどこに名前を書いても役割を果たしてくれる、実に頼もしい存在であった。

 また、栗山は「勝負強い」という印象も強い。通算9度のサヨナラ打はパ・リーグにおける現役最多タイ。特に2017年には、1シーズンで3度のサヨナラ打を放った。

 この年は10シーズンぶりにスタメン出場数が100試合を割ったが、代打打率.313をマークした。後に「山賊打線」と呼ばれる強力打線の中で打撃陣を支え、チームの4年ぶりとなるAクラス入り、翌年からのリーグ2連覇の礎を築いた。

 栗山を語る上で、数字を用いるだけでは不十分だ。プレーや言動でチームをけん引する姿勢、絶えず進化を求める探求心、そしてファンへの熱いメッセージ……。そうした数字に残らない部分こそ、ファンに愛されてきた最大の理由である。

 バットを置く瞬間が刻一刻と近づいている。最後の花道に向かう「Mr.レオ」へ最大の感謝を込め、「いざ、栗山」の時を待つ。

(「パ・リーグ インサイト」データスタジアム編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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