阪神に7連敗…巨人が“勝てない”ワケ OBが指摘した厳しい現実「4位でもおかしくない」

阪神・藤川球児監督(左)と巨人・橋上秀樹監督代行【写真:栗木一考】
阪神・藤川球児監督(左)と巨人・橋上秀樹監督代行【写真:栗木一考】

巨人OBの武田一浩氏、阪神との違いに言及

■阪神 3ー1 巨人(30日・甲子園)

 どうにも阪神にはかなわない。巨人は30日、甲子園で阪神と対戦。9回に2点差に迫り、長打が出れば逆転の好機を築いたが、あと一押しが足りず1-3で敗れた。1.5ゲーム差で乗り込んだ敵地での首位攻防3連戦に3連敗。阪神戦は7連敗となり、ゲーム差は4.5ゲームに広がった。

 今回の3連戦は28、29日はともに1-4と3点差。この日も2点差と接戦で敗れたが、現役時代に日本ハム、ダイエー(現ソフトバンク)など4球団でNPB通算89勝をマークし、NHKのMLB中継などで解説を務めている野球評論家・武田一浩氏は「点差以上に力の差がある」と分析した。

「今の状態だと、巨人は阪神にかなわない感じです。点差はそんなについていないんですけど、完敗じゃないでしょうか。見ていて勝てそうな感じがしないんです」

 阪神は前日に死球を受けて途中交代した森下翔太外野手がスタメンを外れる中、巨人先発の小笠原慎之介投手は3回に3失点。4回以降は投手陣が踏ん張ったが、打線がつながりを欠いた。9回に浦田俊輔内野手の適時打で1点を返し、なおも2死満塁と攻めたが、最後は佐々木俊輔外野手が見逃し三振。結果的に打線が3試合連続で1得点と抑え込まれた。

 首位を狙う勢いで乗り込んだ甲子園で3連敗。阪神のマジックは21となった。武田氏は「セ・リーグはもともと阪神が抜けている」と話す。「打つ方も投げる方も力が抜けていて、僕の中では阪神がずっとモタモタしていたように見えたわけです。もっと早くマジックが出てもおかしくなかったくらい、チーム力の差はある」と見ている。

 そんな中、首位を争ってきた巨人については「予想外に頑張っている」と評価する。「2位以下は、どこが来てもおかしくないと思っていた」という状況で奮闘しているが「決して巨人が強いわけではない」とも指摘。現役時代、巨人でもプレーした武田氏は「OBだから厳しめに言いますけど3位や4位でもおかしくない」とゲキを飛ばした。

巨人・佐々木俊輔(左)と浦田俊輔【写真:栗木一考】
巨人・佐々木俊輔(左)と浦田俊輔【写真:栗木一考】

ユニホームの背中にも疑問「なんで名前を入れない」

 浦田や佐々木ら若手が台頭してきていることは「頑張ってやっている」と評価。さらなる成長を期待する一方で、岡本和真内野手(ブルージェイズ)が抜けた穴を埋められていない現実が重くのしかかっていると見ている。浦田、佐々木は長距離砲ではないだけに「浦田や佐々木がさらに伸びていっても、来年阪神に勝てるかといえば、やっぱりそんなに勝てない。追いつけないと思います」と推測する。

「やっぱり森下や佐藤(輝明内野手)ぐらいの選手が出てこないと太刀打ちできない。あの2人ぐらいの、伸びしろがある選手が出てこないと厳しい」。森下はセ・リーグトップの31本塁打、佐藤は同2位の30本塁打を放ち、打率と打点は1位を快走している。

 巨人では来日1年目のボビー・ダルベック内野手が22本塁打を放っているものの、来年以降は不透明ともいえる。打撃3部門でタイトルを争う日本人選手の出現が、阪神と対等に渡り合うためのポイントとなる。

 パ・リーグ首位のソフトバンクでは、栗原陵矢内野手がここまで34本塁打をマーク。「ソフトバンクは栗原が伸びてきて得点力が上がっている。やっぱり30本(塁打)打てる選手が出てこないと、チームはなかなか変えられないんです」。長期的にチームを支える和製大砲が、強いチームには欠かせないのだ。

 巨人の若手選手については、戦力面だけでなく、ユニホームにも注文をつけた。「背番号に名前が入っていないから、よく分からない選手もいる。いろんなOBの方も言っているけど、なんで名前を入れないんでしょうね」。OBだからこそ、もどかしさもあるのだろう。「今のままだと、かなわないでしょう」。巨人に突きつけられている課題は明白である。

(尾辻剛 / Go Otsuji)

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