今季出場5試合で「本当に崖っぷち」 世代交代の波、募る危機感…阪神30歳が語る“現在地”

阪神・島田海吏は2022年にキャリアハイの123試合に出場
阪神は2日を終えた時点で優勝マジックを「19」として、2年連続のセ・リーグ制覇に突き進んでいる。藤川球児監督による若手の積極起用により次世代の育成も進む一方で、ベテランには緊張感が漂う。
自ら現状を「崖っぷち」とこぼしたのはプロ9年目を迎えている島田海吏外野手だ。2022年にキャリアハイの123試合出場、21盗塁をマークするも今季の1軍出場はわずか5試合。ファームから昇格のチャンスを伺う30歳の胸中に、元阪神タイガースWomen外野手の田中亜里沙さんが迫った。(聞き手・田中亜里沙、構成・喜岡桜)
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――2026年シーズンも終盤に差し掛かってきました。今どんな思いで戦っていますか?
「立場は本当に崖っぷち。毎年そうですけど、とくにこの歳になって、ダメやったらもうおしまいという思いが強くなってきました。終わりを迎えたときに後悔しないように、どうすれば1軍で、自分の力を出し切れるかを日々考えています」
――私がいた女子プロ野球(JWBL)は、1試合でどの選手にも打席に立つチャンスが複数回与えられました。男性によるプロ野球はより厳しい世界ですよね。
「そうですね。いい結果を積み重ねることで、打席に複数回立たせてもらえる立場になると思うんです。そのためにまずは1打席にかける。特に代打は、初球から仕留めるつもりで。初球をスッと見逃してしまうと、あっという間にカウントが辛くなってしまいます。一振りで決められるバッティングを突き詰めないといけないと思っています」
――ご自身の中での感覚が良かったときの話を聞いてみたいです。
「2022年に1軍で123試合に出ましたが、プロになってから1番と言えるほど感覚が鋭くて……あの感覚を追い求めていますね。ただ、年齢を重ねるにつれて体の状態がどんどん変わってくるので、再現できる確率が低くなってしまっています。どんなイメージを持てば理想のバッティングを取り戻せるのか。それを追っているのが現状です」

「理想としている形を、最後の日まで追い求めたいですね」
――私は2024年に引退したのですが、最終年はチームが世代交代の時期でした。キャリアを重ねると「できて当たり前」が、失敗できないというプレッシャーになって、プレーが縮こまってしまうことがありました。島田選手にも、そんなことってありますか?
「同じですよ。僕もそういう感情で縮こまっちゃうときもあります。でもそれは、自分に自信がないからなのかな? と思うんです。どんなにすごい人でもミスはします。焦っている時間がもったいないし、自分の思い込みで過剰に気にしすぎているときもあるので、僕は『次打てばいいか』と無理やり気持ちを切り替えるようにしています。でもやっぱり、失敗したときに『これ以上はミスできないな』とも、めちゃくちゃ感じています」
――自分が若かったときよりも、失敗することが怖くなりますよね。
「そうですね。だけど、得意なことに自信を持てれば、全部がうまく回っていくんです。僕はバッティングが1番得意ですが、2022年の前年から、バッティングに自信がついてきていたんです。そしたら守備も走塁も思い切れて、全部ができるようになってきたんです。僕の中では細かなスキルアップも大切だけど、メンタルからプレー全体へ繋がっていくという感覚がありますね」
――いつか島田選手も現役を引退することになりますが、何ができていれば、悔いを残すことなくユニホームを脱ぐことができると思いますか?
「自分の追い求めているものが、できるようになるか、ならないままかは分かりませんが、最後までやり切ることを大切にしたいです。藤川監督が『ユニホームを着ている間は、もがいて、上を目指し続けなきゃいけない』と仰っていたんです。本当にその通り。諦めないことが大事なのかなって。僕は理想としている形を、最後の日まで追い求めたいですね」
――最後に1軍への意気込み、ファンへの思いをお願いしてもいいですか
「調子が上がらない中、応援してくれるファンがたくさんいるのはわかっています。そういう人たちのためになんとか1軍に上がって、またヒットを打って、走って、勝利に貢献したいなと思っています。応援よろしくお願いします」
――ありがとうございました。めちゃくちゃ応援しています!
(喜岡桜 / Sakura Kioka)