盟友に1本の電話…告げた引退「泣いてくれた」 明かされた幕引きの裏側、10月に願う“リレー”

唐川侑己は2007年ドラフト、益田直也は2011年ドラフトで入団
同学年の強い絆がある。ロッテの唐川侑己投手が8日、ZOZOマリンスタジアムで引退会見を行った。会見後には益田直也投手がサプライズで登場し、花束を贈呈。10月3日に予定されているソフトバンク戦(ZOZOマリンスタジアム)での引退セレモニーで、同学年の唐川の後に登板したい思いを明かすと、唐川も同学年リレーを“熱望”した。
質疑応答後の花束贈呈。真っ先に現れた益田は「泣いてんじゃないの?」と言いながら歩み寄った。笑顔の写真撮影を終え、10月3日に話題が及ぶと「それまで1軍にいられるように頑張りたい。侑己の後に投げられればうれしいという思いもある」と最後の同学年継投への思いを口にした。
これに唐川も「最後、僕が投げて直也が投げてくれたら、こんな最高なことはないなと思う。楽しみにしてこれから1か月過ごしたい」と反応。「長いこと頑張ってくれたおかげで、僕も頑張れた部分もある」と切磋琢磨してきたチームメートに感謝の気持ちも示した。
唐川は成田高から2007年高校生ドラフト1巡目指名を受けロッテに入団。1年目から先発として1軍で活躍した。一方の益田は関西国際大から2011年ドラフト4位で入団。長く救援陣を支え、15年目の今季、名球会入りとなる通算250セーブを達成した。
2018年以降、唐川が中継ぎに回ることが増えると、2人はブルペンで共闘。欠かせない存在として救援陣をまとめた時期があった。引退を決断した後は電話で報告。「比較的僕があっさり伝えてしまったのかなと思う。泣いてくれたんですけど」と明かした。ともにロッテ一筋のプロ野球人生。2人だからこその絆がそこにはある。
千葉県の専大松戸高出身で新守護神に定着した横山陸人投手、ドラフト同期入団で同学年の阿部和成1軍サブマネジャーも花束贈呈に登場。唐川らしい笑顔あふれる会見となった。

“高校BIG3”にも言及「ライバルというより仲間」
同学年では別の話題にも言及された。成田高時代、“高校BIG3”と並び称された大阪桐蔭高の中田翔(日本ハム)、仙台育英高の佐藤由規(ヤクルト)について「特に入団当初はお互いに刺激し合って、ライバルというより仲間だと思って過ごしていた。これからもそれぞれの道がある。そんなに接点はなかったけど、若い時に意識し合って仲間だと思っていた絆はある」と説明した。
若手時代に注目された、打者を押し込む糸を引くような直球は、今はほとんど投げない。投球の中心は140キロ台中盤のカットボール。直球へのこだわりを問われると「ないです」と言い切った。「今は散々、カットボールにお世話になっている。カットボールに愛着があるので」とモデルチェンジした現状を受け入れている。
最も思い出に残る試合は2024年4月16日の西武戦(ZOZOマリンスタジアム)を挙げた。前年はプロ入り後初めて0勝に終わり、入団からの連続勝利が15年でストップ。先発再転向した2024年最初の登板で「これが最後だと思って、この景色を目に焼き付けようと思ってマウンドに上がったんです」と振り返る。
「チームから求められるものが、自分のパフォーマンスをしっかり出すことと理解していました。それができなければ、この世界にいることはできない」。覚悟のマウンドで6回1安打無失点。白星はつかめなかったが復活を示し、この年は3勝を挙げてプロ18年目の昨季、そして19年目の今季につなげた。
「本当に泥くさくというか必死に何とかしがみついてやってきた19年だった。自分が思っていたより『残念だ』とみんなが惜しんでくれたので、幸せと言ったら変ですけど、報われる時間ではあったのかなと思います」
同学年はもちろん、仲間や多くのファンから愛された背番号19。10月3日のセレモニーで、盛大に送り出す準備が進んでいるはずである。
(尾辻剛 / Go Otsuji)