3位DeNAに待つ“未来” Aクラスでも安堵感なし…現場に流れる空気感、故障抱えても悩める判断

戦略・作戦面を担う鶴岡賢二郎ベンチコーチ
今季からCS(クライマックスシリーズ)に新ルールが導入される影響を、もろに受けそうなのがDeNAだ。9日には本拠地・横浜スタジアムで行われたヤクルト戦に9-2で7回途中降雨コールド勝ち。今季残り19試合で58勝63敗3分(勝率.479)となり、首位・阪神に10.5ゲーム差の3位につけている。チームの参謀役・鶴岡賢二郎ベンチコーチが指摘した。
「首位とのゲーム差と勝率5割は、もちろん意識しています。このままでは、ファイナルステージに進出したとしても非常に不利な条件になりますからね」。鶴岡コーチはこう強調する。
今季からセ・パ両リーグのCSファイナルステージは、レギュラーシーズン1位球団とファーストステージ勝者のシーズン中のゲーム差が「10」以上だった場合、もしくは、ファーストステージ勝者のシーズン勝率が5割未満の場合は、7試合制とし1位球団に2勝のアドバンテージを与えられた上で、先に5勝した球団が日本シリーズ進出となる。
2つの条件をいずれも満たさない場合は、従来通り6試合制で、シーズン1位球団に1勝のアドバンテージを与え、先に4勝した方が次へ駒を進める。
DeNAはこのままでは、仮に3位でレギュラーシーズンを終え、さらにCSファーストステージを制したとしても、ファイナルステージでは相手に2勝のアドバンテージが与えられ、従来のルールに比べると日本シリーズ進出の難易度が上がることになる。
緊迫感が高まる中、残り少ない試合数で首位とのゲーム差を減らし、勝率5割に達するための鍵は何か。鶴岡コーチは「ミスをいかに少なくするかだと思います。守備のエラー、攻撃時のバント失敗などは勝敗に直結することが多いですから」と力を込めた。
前日(8日)のヤクルト戦では両チーム無得点の6回、無死一、二塁のチャンスに勝又温史外野手が送りバントを試みるも、捕ゴロとなり二塁走者が三塁で封殺された。この日の同戦でも1-1の2回1死一、二塁で、打席に立った石田裕太郎投手の送りバントが強めの投ゴロとなり、二塁走者が封殺。走者をバントで送れないケースが目立つのは気がかりだ。
危惧される主力の怪我「われわれのジャッジが重要になる」
一方、この日は相手のヤクルトが2-2の同点で迎えた7回、無死一、二塁のチャンスで内山壮真内野手がバントを空振りし、飛び出した二塁走者のホセ・オスナ内野手が捕手からの送球に刺された。これで流れがDeNAに傾き、その裏の一挙7得点の猛攻につながったのだった。
鶴岡コーチは「相手にバントのミスが出て、その裏に点が入りましたが、逆のケースも起こりうると思います。ああいうところでウチがミスをすれば、相手は許してくれないでしょう」と自戒を込めて指摘した。
また、残り試合が少ない中で、主力の故障・欠場はチームに深刻な影響を与える。DeNAでは、16日の阪神戦で右手首に死球を受けた牧秀梧内野手が、18日のヤクルト戦でスタメンを外れた。翌19日の同戦で、牧は先発に戻り7回に23号3ランを放ったが、入れ替わるように、今度は4番を打っていたヘラル・エンカーナシオン外野手がコンディション不良でベンチ入りメンバーからも外れた。
「シーズン終盤のこの時期、痛み・違和感を一切抱えていないという選手は、ほぼいません。選手たちは『大丈夫』と言ってくれますが、逆にわれわれが抑えて『今日はやめておこう』というケースもなければいけないと思います」と鶴岡コーチ。
「われわれとしては、出場選手登録を抹消すべきか、あるいは2、3日で復帰できるのかのジャッジが重要になります。1度抹消してしまえば、10日間は再登録できず、残り試合の半分を失ってしまうことになるので、慎重に判断すべきところだと思います」と表情を引き締めた。
鶴岡コーチは現役時代、ベイスターズで捕手として5年間プレー。引退後、ブルペン捕手やアナリストを務めた後、三浦大輔前監督時代の2024年に1軍オフェンスチーフコーチとして現場復帰を果たし、今季相川監督の就任とともに、ベンチコーチに肩書が変わった。戦略・作戦面の参謀役を担っていることに変わりはない。

「途中から出る選手が鍵」三森、柴田、神里らの頼もしさ
「選手のモチベーションを高く保つことも、自分の仕事の1つだと思っています。スタメンで出ている選手は放っておいても闘志を燃やして戦ってくれるので、途中から出る選手が鍵になると思います」とも。
「その点、ウチは三森(大貴内野手)、柴田(竜拓内野手)、神里(和毅外野手)といったキャリアのある選手たちが、ぬかりなく準備を整えてくれているので、助かっています」と感謝を口にした。
DeNAはリーグ最多の474得点(9日現在)を誇る攻撃力を武器に、残り試合で巻き返し、より良い条件でCSを迎えることができるか。まずは勝率5割復帰が喫緊の課題となる。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)