大谷翔平は「失望していた」 大勝8分後に超速帰宅、悲しげな視線…記者が見た戦線離脱

大谷は右腕の違和感で負傷者リスト入りが決まった
【MLB】ドジャース 14ー1 レッズ(日本時間10日・ロサンゼルス)
悲しげな視線だった。ドジャース・大谷翔平投手はTシャツ、ハーフパンツ、サンダルのラフなスタイルでドジャースタジアムの薄暗い通路に現れた。いつもとは違う帰宅道。チームは9日(日本時間10日)のレッズ戦で7連勝を飾って地区優勝マジック6に。その勝利のハイタッチから8分後、自己最多13勝目を挙げた山本由伸投手の取材がちょうど始まった時だった。
ドジャース選手は試合後に11日(日本時間12日)からのマイアミ、シンシナティ遠征に向けて空路で移動する予定だった。その後、取材のために開放されたクラブハウス。大谷のバット、スパイク、革手袋など野球道具一式がロッカーにそのまま置かれていた。大谷の戦線離脱を意味していた。
大谷の超速帰宅から31分後。デーブ・ロバーツ監督の試合後会見は“大谷一色”となった。会見場に現れたロバーツ監督は、3問目から大谷の15日間の負傷者リスト(IL)入りについて説明を始めた。右腕の違和感を抱える大谷に対し、チームは遠征には帯同させず、ロサンゼルスに残して治療と調整に専念させる苦渋の決断を下した。
「ショウヘイや医師、トレーニングスタッフと深く話し合った結果、これが正しい判断だと考えた。できる限り先送りにしようと努めたが、一度リセットして体調を整えてもらうことが最善だ」
復帰後のレギュラーシーズン最終盤から10月のポストシーズンで最高のパフォーマンスを発揮させるための決断だったと明かした。主砲である大谷の戦線離脱はチームにとっても大きなショックだが、指揮官は前を向く。「もちろんショウヘイがラインナップにいる方が圧倒的に良いチームであることは分かっている。しかし、いないからこそ、他の選手たちがカバーし合い、より集中して臨む部分がある」と語り、チーム全体の結束に期待を寄せた。

離脱を決めた背景「休ませるのが最善の策だ」
離脱を決めた背景には、出場と静養を繰り返しながらも症状が劇的に改善しなかった現実があった。「試合に出したり休ませたりと両立を試みたが、4日間休ませた後に復帰させ、オフの翌日に再びプレーできない状態になった。急激に良くなっているという確証が得られなかったため、一度選択肢から外して休ませるのが最善の策だと判断した」。気になる大谷本人の反応について尋ねられると、指揮官はその胸中を察した。
「試合に出たい気持ちが強い選手だから、悔しそうにし、失望している様子はあった。でも、10月に自分がなりたい選手でいるためには、これが最善の選択だと本人も理解して受け入れている」
今回のIL入りは8日に遡って適用されることが見込まれ、最短では23日(同24日)の本拠地パドレス戦で復帰可能となる。レギュラーシーズンは残り5試合となるタイミングだ。
今後の調整について、ロバーツ監督は「まず打撃に関しては体を落ち着かせるために2〜3日は完全にスイングをストップさせる。そこから徐々にペースを上げていく予定だ」と明かした。復帰時期については非常に強い手応えを感じているという。
「非常に高い確信を持っています。もし明日がポストシーズンの試合であれば、彼はラインナップに入っているでしょう。だからこそ、この時間をかけることで、今日よりもはるかに良い状態になります。15日目には準備が整っていると確信しています」
10月の大舞台で再び圧倒的な打撃を取り戻すため──。薄暗い通路を去っていった背番号17の悔しさは、世界一3連覇へ向けた再スタートの力へと変えられていく。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)