巨人・小笠原慎之介が語る打撃への思い “道大”そっくりと話題の打法…好打率で貢献「そこに尽力する」

小笠原慎之介は今季6月の加入後、投打で存在感を示している【写真:小林靖】小笠原慎之介は今季6月の加入後、投打で存在感を示している【写真:小林靖】

今季8登板のうち7度でQSをマークしている

 今年6月に巨人に加入した小笠原慎之介投手が抜群の安定感を誇っている。6日の広島戦(マツダスタジアム)で移籍後初の完封勝利を挙げるなど、8試合の登板で防御率1.90の成績を誇る。さらに打つ方でも話題の打法で結果を残しており、今や優勝争いに欠かせぬ存在だ。

 ここまで4勝3敗ながら、先発で6回以上を投げ、自責点3以内に抑えるクオリティスタート(QS)は7度を記録。先発投手の安定度を示す指標でもあるQS率はチームトップの87.5%だ。しかも、7回以上、自責点2以内のハイクオリティスタートも4度マークしている。

「やるべきことをやっただけなので。まあ、まだまだ全然ね、完封は良かったと思いますけど、それ以外で多少失点しているとこもあるし、ヒットの打たれ方はあまり良くないケースもあったので。そういうところはしっかり反省しながら、次はないようにと思いながら投げています」

新天地で防御率1.90と躍動している【写真:小林靖】新天地で防御率1.90と躍動している【写真:小林靖】

 広島戦での快投は大きな意味を持っていた。その前日5日の同カードは延長11回までもつれ、10人の投手がマウンドへ上がった。連投で直近の登板数がかさむ救援陣が多いなか、小笠原は1人で9回123球を投げ切った。まさにチームを救う自身3年ぶりの完封劇だった。

 好成績は中日時代の“経験”が生きているという。

早出でフリー打撃も「バッティング練習は好きですけど」

「やっぱドラゴンズの時、本当に素晴らしい先輩たちが投げているのを見ながら勉強して、試合というのはこうやって作るもんだっていうのを、体で表現されていたので、それを見ながら僕もいいものは吸収できるようにと思いながら投げていて、そのあたりがうまく“引き出し”にはなってるのかなと思います」

 注目すべきはマウンドだけではない。打撃でもチームへの献身が目立っている。今季3戦目となった8月2日のDeNA戦、第1打席に右前へ移籍後初安打をマーク。続く打席では右翼線へ鋭い当たりを放つと、全力疾走を緩めることなく三塁打とした。

勝利のために激走。投手としては珍しい三塁打もマークした【写真:加治屋友輝】勝利のために激走。投手としては珍しい三塁打もマークした【写真:加治屋友輝】

 ここまで16打数4安打の打率.250と立派な成績を残している。打席へのこだわりを問うと「野手の邪魔はしないようにっていうぐらいですかね」とサラリと答えた。淡々とした口調ではあったが、続けた言葉に強い信念を感じさせた。

「点が入るのであればね、そこに尽力する。やっぱり点は入った方がいいですし、点が入るためにはピッチャーも打撃に参加して、まあ最低限のバントだとか、ヒット1本で流れが変わるようなこともあるので」

 早出で打撃練習を行うこともある。10日の中日戦前でもフリー打撃で快音を響かせ、大粒の汗を流していた。「バッティング練習は好きですけど、(試合での)バッティングはあまり好きではないです」と明かす。

同じ苗字…小笠原道大氏の打撃フォームにそっくりと話題

 完封した広島戦では第1打席で犠打を決めると、第2打席では見事な中前打で出塁した。顔から離してバットを立て、重心を落として球を捉えにいく過程は、日本ハムや巨人、中日でプレーし2120安打を放った小笠原道大氏そっくりと話題になった。

完封した広島戦では“道大”似のフォームから鮮やかな中前打を放った【写真提供:産経新聞社】完封した広島戦では“道大”似のフォームから鮮やかな中前打を放った【写真提供:産経新聞社】

「そこはいろいろ試しながらやっていますけど、僕からしたら(打撃は)本業ではないので」。それでも打撃フォームを意識しているのか問うと「まあ、まあ、いいものは取り入れないといけないですから」とニヤリと笑った。

 小笠原道大氏の長女で俳優の小笠原まゆさんも自身のSNSで反応した。「小笠原道大打法を取り入れてくださりありがとうございます」「タイミング取るの似すぎてて面白い」などと“認めて”いたことに対し、小笠原は「恐縮です」と小さく頭を下げた。

 2015年ドラフト1位で中日に入団し、2024年まで所属した。この間、チームのAクラスは3位だった2020年の1度だけ。優勝争いのヒリヒリするようなシーズン終盤を過ごすのは初めてと言ってもよい。

「僕はまあ、楽しめているというか、与えられたところで投げることしかできないので、しっかり僕の仕事を全うしようっていう気持ちしかないので。あまり考えないようにはしていますね」

 泰然自若。28歳のサウスポーは経験値をフルに生かし、投打で優勝への欠かせぬピースとなる。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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