ロッテ・唐川侑己を支えた“唯一無二”の魔球 今季で引退も…82勝目に凝縮されていた真骨頂

ロッテ・唐川侑己【写真:荒川祐史】
ロッテ・唐川侑己【写真:荒川祐史】

高卒1年目から活躍した唐川侑己が今季限りで現役引退

 ロッテの唐川侑己投手が4日、今季限りでの現役引退を表明した。唐川は、地元の成田高から入団し19年にわたりプレー。千葉一筋の野球人生を送り、ファンに愛された右腕の活躍を振り返る。(成績は全て13日時点のもの)

 唐川は2007年の高校生ドラフト1巡目でロッテに入団。高卒1年目から1軍で15試合に先発して5勝を挙げた。翌2009年には143.1イニングで防御率3.64、K/BB4.11と高卒2年目にして見事な投球を披露。3年目には先発の一角として、チームの日本一に貢献した。

 その後も先発として登板を重ね、2011年には168.1イニングを投げて防御率2.41、自己最高の12勝を記録するキャリアハイのシーズンを送った。故障に悩まされる時期もあったが、2013年には168イニングを消化して9勝。2016年には防御率2.84と安定した投球を見せるなど、長きにわたって主力投手として活躍した。

 2018年途中からリリーフに転向。同年は25試合で防御率2.83と適性の高さを示した。2020年は32試合で15ホールドポイント、防御率1.19と抜群の安定感を発揮。2021年には38試合で防御率2.72、自己最多の26ホールドポイントとセットアッパーとして活躍しブルペンを支えた。

 2022年以降は1軍での登板機会が減少したが、先発に再転向した2024年には8試合の登板で防御率2.37、K/BB10.33と非常に優れた投球内容を披露。2025年にも白星をあげるなど、ベテランの域に入ってからも随所で存在感を放った。

19年のプロ生活…唐川の登板で印象に残った3試合

 唐川の登板で特に印象深かった3つのシーンをピックアップしてみる。まず1つ目は2010年8月12日の日本ハム戦。「高校ビッグ3」の同期、中田翔氏とのプロ初対戦で三振を奪った試合だ。プロ3年目で、両雄の初対戦がついに実現。7球にわたる熱戦が繰り広げられた末、最後は唐川が、内角の球で同期のライバルを空振り三振に仕留めた。

 2つ目は2011年10月15日のソフトバンク戦。この試合、唐川は強力打線を相手に9回10奪三振無失点の好投を見せた。杉内俊哉氏との息詰まる投手戦が展開される中、優れた制球力と緩急を存分に使って打者に的を絞らせない投球を披露。シーズン11勝目を挙げ、投手としての能力の高さを示した。

 最後は2025年9月23日の西武戦、通算82勝目をマークした一戦だ。若き日とは異なり、カットボールを主体にスライダーやチェンジアップをアクセントに加える巧みな投球術で西武打線を翻弄。7回を3安打無失点に抑えてシーズン初勝利を挙げ、試合後には2軍でもバッテリーを組んでいた植田将太捕手とともにお立ち台に上がり声援に応えた。

 若手時代は先発ローテーションの中心的存在としてチームをけん引し、キャリアの後半では唯一無二のカットボールを武器に並み居る強打者たちを翻弄した。故障やイップスとの戦いに負けることなく、先発と中継ぎ、どちらの役割でもチームを支え続けた唐川の活躍は、ファンの心に深く刻まれるものとなった。

 ZOZOマリンスタジアムで行われる10月3日のソフトバンク戦では、唐川の引退セレモニーが開催される。ロッテ一筋19年間のキャリアを締めくくる右腕の姿を、一人でも多くの人に見届けてほしいところだ。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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