先発・中継ぎ起用は「本当にどっちでもいい」 ロッテ・高野脩汰の心意気…マウンドへこだわる第一条件

高野脩汰は高身長を生かしたダイナミックなフォームで活躍している【写真:栗木一考】高野脩汰は高身長を生かしたダイナミックなフォームで活躍している【写真:栗木一考】

9月から先発を任されると3試合連続で7回を投げ切る

 先発のコツを早々につかんだ。ロッテの4年目左腕・高野脩汰投手は、9月1日の西武戦(ZOZOマリンスタジアム)で今季初の先発登板。7回2安打8奪三振、無失点の快投で勝利投手となった。同10日の楽天戦(同)も7回1失点で連勝。同19日の西武戦(同)は4失点(自責点3)で敗戦投手となったものの、3試合連続で7回を投げ切った。

「最低限じゃないでしょうか。中継ぎを休ませるというところはできているかもしれません。自分は1週間、先発の調整をさせてもらって投げる試合なので、できるだけ長い回を投げるのも1つの目標としてやっているので、そこは最低限達成できてるかなと思います。でも前回は負けましたし、試合運びに関してはまだまだのところがあります。長い回を投げて勝てたら一番いいかなと思います」

 日本通運から2022年ドラフト4位で入団。1年目は7試合に登板し、2年目はプロ初勝利を挙げたものの、6試合の登板にとどまった。腕を真上から振り下ろし、投げ終わった後に軸足である左足が地面に対して垂直になるほど高くはね上がるダイナミックな投球フォームが持ち味。シーズンを通してフォームを安定させるため、2024年オフにドジャースの大谷翔平投手も利用するトレーニング施設「ドライブライン」の関係者に動作解析を求めたことで球速が上がった。

 力の入れ具合、抜き具合などを改良した効果で140キロ台前半だった直球は安定して140キロ台後半を計測。3年目の昨年は中継ぎの一角に食い込み、5勝3敗15ホールド、防御率1.84を記録した。37試合に登板して投球回数は53回2/3。回またぎも当然のようにこなした。

「長い回を投げる上で『これかな』って思うものを」

 2024年には2試合に先発したが、以降は複数イニングを任される中継ぎが主な役割。今季も開幕から大事な場面で起用される中、4月は4試合連続で失点するなど安定感を欠いた投球が続いた。「ずっと状態は良かったんですけど、対策されたこともありますし、いろいろうまくいかずに成績が伴いませんでした」。それでも徐々に本来の調子を取り戻しつつあった。

 7月に入り、チーム事情もあって2軍で3試合に先発登板。複数イニングの感覚をつかむと、1軍復帰した8月の登板3試合は中継ぎながら2、4、3回を投げて、9月の先発登板につなげた。

 先発では3試合連続でクオリティ・スタート(QS=6回以上、自責点3以下)を達成。中継ぎの時と比べて「調子的にはそんなに変わっていない」と言う一方で「その中でも長い回を投げる上でつかんだものもある。最近は長い回を投げる上での戦い方というので、『これかな』って思うものをずっと続けている感じです」と好投の秘訣を明かした。

好投続く要因は「力感7、8割」

「今は思いっきり投げすぎないっていう感じでやっています。リリーフで緊迫した場面では、1回とか短い回なので力んじゃって、『えいやっ』って投げて、打たれていたことが多かったんです。ファームで3試合先発をやらせてもらった中で、バランスよく投げる感覚をつかめたと思います」

 短い回を担う救援の際は、1回15球前後のケースが多く、すべての打者に全力投球で挑む。一方、先発は6~7回で100球前後を投げるため、全力投球を続けていればスタミナが早々に切れてしまう可能性がある。長い回を投げるためには適度な“抜き”が必要になる。

「力感を7、8割で投げています。実際はちゃんと腕は振れているんですけど、感覚的には一歩引いて投げる感じが最近はうまくいってますね。変な力感がない分、同じ球速でも(打者を)差せたりする。長い回を投げる上でも体力温存にもなっていますし、結果的に質のいい球で打ち取るみたいなこともできていますし、それがうまくいってる要因かなと思います」

チームの白星のために貢献する【写真:栗木一考】チームの白星のために貢献する【写真:栗木一考】

 140キロ台中盤から後半の直球の威力は中継ぎ時と遜色ない。「球速は変わらないけど、投げてる感じとしては力みすぎないというか、一歩引いた感じです」。落差の大きいフォークも武器となっている。中継ぎではその2球種を中心に抑えていたが、先発ではスライダーやカーブの割合を増やして翻弄している。

先発は「ドーンって投げる分、他の日は休めるみたいな考えも」

「真っすぐとフォークが自分の売りなんですけど、それだけだと対策される。自分の印象の少ない曲がり球を、あえて選択したりしながらやってるところはあります。ファームで練習して(スライダーの)感覚も良くなってきているので、選択する場面が増えてきています。球種は2つより3つ、3つよりは4つって多い方が相手も絞りづらいですから」

 週に1回登板する先発と連日のように登板準備をする救援では、調整も違えば疲労度も異なる。「毎日準備するリリーフの疲れと、一気にドーンとくる先発の疲れの違いがあります」。そんな中で、投球同様に適度な“抜き”を心がける。「ドーンって投げる分、他の日は休めるみたいな考えもできるので、今日は何もしないでおこうとか、そういう調整ができる分、回復は追いついている感じです」と説明した。

 22日の時点で、今季成績は先発3試合を含む30試合に登板し3勝4敗4ホールド、防御率3.00。中継ぎにしても、先発にしても、チームに必要な存在だ。今後については「本当にどっちでもいい。どっちもいいんです」と力を込める。

「どっちの良さも今年経験させていただいているので、チーム事情によって足りない方に入れてもらう。1軍で投げることが第一条件。言われた方に『はい!』って答えるだけです」。役割を問わず、チームのために、豪快なフォームで腕を振り続ける。

(尾辻剛 / Go Otsuji)

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