「あ、来た」電話で察した戦力外 「正直悔しい」も後悔なし…20歳が描く“第2の人生”

戦力外通告を受けたDeNA・小笠原蒼【写真:町田利衣】
戦力外通告を受けたDeNA・小笠原蒼【写真:町田利衣】

憧れのDeNAで過ごした3年間「野球はこれで、おしまいでいいかな」

 DeNAは29日、育成の小笠原蒼内野手ら10選手と来季の契約を結ばないと発表した。球団からの電話を受けた時、浮かんだのは「あ、来た」という思いだった。「野球はもうやらないかな」と、現役生活に区切りをつける考えを明かした。

 京都翔英高から2023年ドラフト育成3位でDeNAに入団した。プロ1年目は2軍で8試合ながらも打率.250、出塁率.357の成績を残したが、ここ2年間は計27試合の41打席でわずか2安打にとどまった。7月の期限が過ぎた時には「もう今年で終わりかな」と、心の準備をしていた。

「正直悔しいって気持ちが一番」。それでも、自分の取り組みに悔いはない。「自分の中でこれ以上できないっていうくらい練習したつもり」。もっと何かをしておけばよかったという思いは、一切ないという。

 小さい頃からファンだった球団に指名された瞬間と、初めてユニホームを着て迎えたキャンプ。一番の思い出に挙げたのは、憧れが現実になった時のことだった。「ベイスターズに入って3年間野球をやり込んできたので、本当に野球はこれで、おしまいでいいかなと思っています」。

 ただ、応えられなかった期待への悔しさは残る。「何にも結果を残せていないのに」――球場では「頑張れ」「応援しているよ」と声をかけてもらった。台湾に遠征した際にも、応援のメッセージを目にした。「やっぱりそういう期待に応えられなかったっていうのは本当に悔しい」。

 通告後は、自主トレをともにした尊敬する佐野恵太外野手にも報告した。「もうなっちゃった結果は仕方がないから、若いんだし何でもできるから、ゆっくり考えながら」。先輩からの言葉を「本当にその通りだなと思っています」と受け止めた。

 次の道は、まだ決まっていない。ただ、「人間的な部分ですごく成長させていただいた」という実感がある。佐野らと過ごす中で、一流選手の日々の過ごし方を肌で感じた。「どの道に進むかまだ分からないですけど、そういうのも経験として活かしていきたいなと思います」。

 ハマスタやバンテリンドームでプレーする夢はかなわなかった。それでも、憧れのユニホームを着て野球ができた。その時間を、小笠原は「本当に自分の人生にこれからプラスになっていくことかなと思います」と振り返る。やり切った3年間は、野球を離れても自分の中に残っていく。

(Full-Count編集部)

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