“半壊”した2021年ドラフト1位 6人が戦力外経験…侍選出の裏で厳しい現実

「高校BIG3」も全員が戦力外に…隅田、大勢は侍ジャパンも経験
また1人、ドラフト1位が厳しい現実を突きつけられた。中日は9月30日、ブライト健太外野手と来季の契約を結ばないと発表した。2021年のドラフト1位12人のうち、育成契約への移行に伴う通告を含めると、半数の6人が戦力外を経験。各球団の期待を背負った顔ぶれは、プロ5年目で大きく明暗が分かれている。
上武大から入団したブライトは、昨季自己最多の83試合に出場し、打率.259、3本塁打20打点をマークした。しかし、飛躍を期待された今季はわずか5試合の出場で打率.071。ファームでも4月19日を最後にプレーしていない。通算156試合、5本塁打と、持ち味の長打力を十分に発揮できないまま、5年目の秋に戦力外通告を受けた。
高校生投手「BIG3」と呼ばれた3人も、全員が入団球団から戦力外となった。DeNAの小園健太投手は9月29日に通告され、1軍通算2試合、1勝にとどまった。昨オフに通告された元ソフトバンクの風間球打投手は、1軍登板がないまま引退。元阪神の森木大智投手は海を渡り、今季はパドレス傘下1Aでプレーした。3人を合わせても、NPBの1軍で投げたのはわずか4試合だった。
即戦力として期待された大学生左腕も、順調な道のりとはいかなかった。法大からヤクルトに入った山下輝投手は1年目に1勝を挙げ、日本シリーズでも先発したが、2年目以降は1軍登板なく昨年に戦力外通告を受けて引退した。広島の黒原拓未投手は2024年に53試合で防御率2.11と存在感を示したが、昨季は1軍登板がなく、今季も10試合で防御率9.64と苦しんでいる。
高卒野手の2人も、定位置をつかむには至っていない。ロッテの松川虎生捕手は1年目に76試合に出場し、佐々木朗希投手の完全試合をアシストしたが、その後3年間は計17試合。今季は47試合まで増やしたものの、打率.182と打撃に課題を残す。楽天の吉野創士外野手も、1軍デビューは4年目の昨季だった。今季は20試合で打率.118と苦戦している。
一方で、チームの中核へと育った選手もいる。西武の隅田知一郎投手は1年目こそ1勝10敗と苦しんだが、昨季から2年連続で2桁勝利。今季は24試合で10勝8敗、防御率2.27をマークし、通算39勝を積み上げてきた。巨人の大勢投手は1年目から37セーブを挙げて新人王に輝き、昨季は46ホールドを記録。通算84セーブ、82ホールドと、抑えでもセットアッパーでも救援陣を支えている。ともにワールド・ベースボール・クラシックでも日本代表としてプレーした。
「BIG3」と同じ高卒組では、日本ハムの達孝太投手が台頭した。最初の3年間の1軍登板は計2試合だったが、昨季は16試合で8勝2敗、防御率2.09と飛躍。今季も124回2/3を投げ、5勝8敗、防御率2.96を記録している。早くから1軍で活躍した大勢らとは異なり、時間をかけて力を蓄え、先発陣の一角に食い込んだ。
戦力外を経験した6人の中には、育成契約から巻き返したオリックスの椋木蓮投手もいる。1年目に右肘のトミー・ジョン手術を受け、オフに戦力外通告を経て育成契約へ移行。2024年に支配下へ復帰すると、今季は49試合で33ホールド、防御率1.91と躍進した。1位指名は活躍を約束するものではないが、一度の通告で道が閉ざされるわけでもない。5年目の秋、それぞれの歩みに大きな差が生まれている。
(Full-Count編集部)