新監督就任も…いきなり言い放った「出ていって」 記者は出禁、封印された“ワード”

ロッテで通算87勝の渡辺俊介氏が2度の下剋上日本一を回顧
9日にセ、パともにクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージが始まる。レギュラーシーズンを2、3位で終えた球団だけが“下剋上”の権利を持つなか、2005年、2010年にロッテの一員として伝説の日本一を達成した渡辺俊介氏が当時を振り返りつつ、“上位喰い”の条件を挙げた。
ポッドキャスト番組「Full-Count LAB―探求のカケラ―」で渡辺氏が回顧。2005年はボビー・バレンタイン監督のもと2位からプレーオフ(当時)の第1ステージで西武を破り、第2ステージでソフトバンクを撃破。日本シリーズでは阪神に4連勝で頂点に立った。
「当時のロッテは、31年間優勝していない状態。優勝の可能性があるならと、みんな全力でした。優勝を経験したことがないメンバーでしたから。本当に勢いありましたね」と語る。2004年からプレーオフが始まったばかりで、2位球団に日本一を名乗る資格はない、という声もあったが「そういうルールの中で戦ったんだから、優勝は優勝だろって選手たちは思っていた」と明かした。
前年からロッテに復帰したバレンタイン監督は、選手を集めた最初の場でこう告げたという。「野球が嫌いな人間は出ていってください。一緒に野球はできません。(だから)全力で楽しんでください」。
渡辺氏は「ファンの人たちに楽しんでもらうためには、まず自分たちが楽しまなきゃ。今まではその発想なかったので」。チーム内では否定的な言葉が禁止され、言いたいことがあれば「俺の部屋に来い」と直接向き合った。否定的な記事を書いて“出禁”になった記者もいたと笑う。
2010年は史上初の3位からの日本一
2010年は史上初の3位からの日本一だった。「3位からなんで、怖いものはなかったんですよ。西武は硬かったですよ。表情や雰囲気が全然違う」。ロッテのベンチでは「なんか負ける気がしないね」と声が上がっていたという。
2005年を経験しているメンバー、スタッフも多く「こういうとこで油断しちゃダメ」「まだ分かんないぞ試合は」といった声がベンチ内に飛び交っていた。経験に裏打ちされた落ち着きがあったのだ。
流れを引き寄せる“シリーズ男”の存在は大きいという。2010年は若手の西岡剛、8打席連続安打の日本シリーズ記録を残した今江敏晃の名前を挙げた。悪い流れになりかけても、強い気持ちと存在感で引き戻せる選手が必要だと説く。毎試合出場する分、起爆剤になるのは「絶対的に野手ですね」と言い切った。
「楽しめない選手は短期決戦苦しいですよね」。2度の下剋上を知る通算87勝を誇る右腕は実感を込めた。
(Full-Count編集部)