村上宗隆が示した「36.7億円」の価値 低評価で“お見送り”の屈辱→低迷球団を変えた打棒

Wソックス・村上宗隆【写真:ロイター】
Wソックス・村上宗隆【写真:ロイター】

日本人1年目最多の35本塁打…今季年俸1600万ドルを上回る評価額

 ホワイトソックスの村上宗隆内野手が10日(日本時間11日)、敵地ガーディアンズとの地区シリーズ第5戦に「4番・一塁」で出場し、4打数無安打4三振に終わった。チームも0-2で敗れ、メジャー1年目が終了。悔しい幕切れとなったが、昨オフの懐疑的な評価を覆す35本塁打を放ち、低迷球団の躍進を支えた。

 昨オフ、ヤクルトからポスティングシステムを利用した村上には、大型契約への期待があった。米移籍大手メディア「MLBトレード・ルーマーズ」はFAランキングで全体4位に据え、8年1億8000万ドル(約286億円)を予想。しかし、実際に結んだのはホワイトソックスとの2年3400万ドル(約53億9000万円)。契約規模は事前の予想を大きく下回った。

 背景にあったのは、三振の多さや速球への対応に対する懸念だった。NPBでの直近3年間の三振率はいずれも28%超。メジャーの投手に通用するのか、慎重な見方が広がった。日本で最年少3冠王に輝いた実績だけでは、大型契約を勝ち取れなかった。また、守備の評価も高くなく、“ネガティブ”な要因ばかりがついてしまった。

 しかし、そんな評価に、バットで応えた。3、4月に12本塁打を放ち、日本人&球団タイ記録の5試合連続アーチも記録。ア・リーグ最速で20号に到達した。米全国紙「USAトゥデイ」のボブ・ナイチンゲール記者は5月、他球団の獲得見送りに疑問を投げかけ、「格安契約だ」と絶賛した。

 順風満帆だったわけではない。5月下旬に右太もも裏を負傷し、復帰は7月。8、9月はともに打率1割台に沈んだ。それでも127試合で日本人1年目最多の35本塁打、77打点を記録。打率.207でも92四球を選び、出塁率.347、OPS.825を残した。粗さを抱えながらも、長打力と選球眼が打線を支えた

 その貢献を金額に置き換えると、契約への見方も変わる。米データサイト「ファングラフス」で総合的な貢献度を示すWARは2.9。WARを基に金額換算する「Dollars」は2320万ドル(約36億7000万円)だった。実際の報酬ではなく、FA市場の相場に照らした評価額だが、今季年俸1600万ドルの約1.45倍に相当する。

 ポストシーズンでも、地区シリーズ初戦に決勝の先制2ラン。MLB公式サイトのスコット・マーキン記者は「ムネタカ・ムラカミの加入によってホワイトソックスが変わった」と影響力を称えた。昨季まで3年連続100敗以上だったチームで、新たな主砲は再建の象徴となった。

 最後は2連勝から3連敗。第5戦の6回2死満塁では空振り三振に倒れ、リーグ優勝決定シリーズには届かなかった。課題と悔しさを残した一方、海を渡る前の疑念には結果で答えた。ホワイトソックスが踏み出した大きな一歩に、村上の35発があった。

(Full-Count編集部)

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