「限界がある」巨人の課題を専門家が指摘 大きすぎる“チーム内の差”…埋まらない穴

大きかった岡本和真の穴「全く埋まっていない」
早々に終戦した巨人の課題が浮き彫りになった。セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)は11日、東京ドームでファーストステージ第2戦が行われ、ペナントレース2位の巨人は同3位のDeNAに1-4で敗戦。2連敗でCS敗退が決まった。現役時代にヤクルト、日本ハム、阪神、横浜(現DeNA)の4球団で通算21年間捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏は「ベテランと若手の差が大きい」と課題を指摘した。
10日の第1戦は打線が6安打1得点で1-2。この日も初回1死一、三塁の好機を併殺で逃すなど5安打1得点と打線が振るわず、終戦を迎えた。2試合連続で1得点では勝機を見いだすのは難しい。
「ちょっと駒が足りないのかなという感じは受けました。坂本(勇人内野手)や丸(佳浩外野手)といった頼りになるベテランはいますけど、年齢的に常時働ける状態ではありません。そこをカバーする若手との差が、やっぱり大きいです」
坂本は第1戦を欠場。第2戦は3点を追う8回2死一、二塁と一発が出れば同点の場面で代打で起用されたが、左飛に倒れた。2試合連続でスタメン出場した丸は第2戦の2回に右前打でチャンスメーク。だが2試合とも途中でベンチに退いた。ともに大事な局面で起用されているが、フル稼働は年々難しくなっている。
ペナントレースは終盤まで阪神と優勝争いを繰り広げたものの、チーム打率.234、103本塁打はともにリーグ4位。岡本和真内野手(現ブルージェイズ)が抜けた穴は簡単には埋まらず、優勝した阪神やDeNAと比べると攻撃力で見劣りしていた。
日本ハムから移籍した松本剛外野手の打率.274がチームトップ。ボビー・ダルベック内野手が25本塁打を記録し、この日も左翼へのソロ本塁打で唯一の得点を叩き出したが、シーズンを通して打線の破壊力不足は否めなかった。
「(監督代行の)橋上(秀樹)さんの選手起用が巧みでシーズンは2位と頑張りましたけど、やっぱり1年間通してみると岡本の穴は全く埋まっていない。どうしても『岡本がいればなぁ』と考えてしまう状況です。ダルベックだけでは限界がある。これは来年以降も大きな課題です」
巻き返しのポイント「層を厚くしていかないと」
2年目のトレイ・キャベッジ外野手が昨季の成績を下回り、昨季11本塁打のリチャードも今季は不振。大砲の補強や育成は急務で「若手の底上げがどこまでできるのか、新戦力を獲ってくるのか、球団方針だからわからない部分もありますけど、やっぱり層を厚くしていかないといけません」と巻き返しのポイントを挙げる。
終盤に怪我で離脱したものの、2年目の浦田俊輔内野手が118試合に出場して打率.271、36盗塁と飛躍。3年目の泉口友汰内野手も打線をけん引した。佐々木俊輔外野手や育成選手出身の平山功太内野手ら、成長を示す若手も出てきているが、いずれも長距離砲ではない。
「若手も頑張りましたけど、補うには限界があります。主軸を担える若手の育成はジャイアンツの喫緊の課題です。それに加えてドラフト、FA、トレード、外国人のすべてで、投手を含めて補強していかないと、来年も厳しい戦いを強いられると思います」
開幕前から指摘されていた岡本の穴は解消されないまま、巨人の2026年は終了。来季、3年ぶりのリーグ優勝を目指すための課題は明白である。育成の手腕と今後の補強策が問われる。
(尾辻剛 / Go Otsuji)