3軍生活→1年後にCSでスタメン「想像もしていなかった」 未体験ゾーンで痛感…巨人・平山功太が触れた1軍の凄み

3年目の巨人・平山功太が1軍で感じたこととは【写真:小林靖】3年目の巨人・平山功太が1軍で感じたこととは【写真:小林靖】

3年目の平山功太は今年4月に支配下登録を勝ち取った

 一日たりとも無駄にはしない。巨人の3年目、平山功太内野手はユニホームを泥だらけにしながら、シーズンを駆け抜けた。野球人生で大きな転機となった2026年は感謝とプロの凄みを見た1年となった。

「一発勝負なので、初戦も緊張感というよりは、ワクワク感の方が大きかったので、そこはよかったのかなと思います」

 10日に東京ドームで行われたDeNAとのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第1戦では「8番・右翼」でスタメンに抜てき。3回の第1打席で三遊間へのゴロを放つとヘッドスライディングで遊撃内野安打をもぎ取った。初の大舞台でもガムシャラさを発揮し、全身に歓声を浴びた。

 2023年育成ドラフト7位で巨人に入団した。瀬戸内高(広島)から環太平洋大に進むも中退。一時は野球の道を諦めたが、BCリーグ・千葉スカイセイラーズに入団し、プロの扉を開いた。

 ルーキーイヤーは3軍で55試合に出場し打率.317、6本塁打、31打点を残し2軍に上がったが、3試合で6打数1安打だった。2025年も3軍を主戦場とし、56試合出場で打率.290、5本塁打、26打点をマーク。迎えた3年目の今季、4月5日に支配下登録を勝ち取った。

 4月8日に待望の1軍デビュー。その後は2度ファームでの再調整を味わったが、9月14日に3度目の1軍昇格を果たした。阪神と優勝争いを展開したシーズン終盤。緊迫の毎日のなかで、超一流の先輩らの凄みに触れた。

「この状況で1軍に残してもらえている」

「その時(9月の昇格)は、シーズンを通して皆さんが戦ってきた成果の部分があったので、それは本当に緊張していました。今回(CS)に至っては、もう順位は決定していて、3位のDeNAと戦っているという状況だったので、緊張するというよりは、もうやるしかないなぐらいで思ってました」

 短期決戦のCSよりも、仲間たちが日々結果を残し、積み上げてきた順位を背負いながら試合に臨んだシーズン終盤の方が重圧を感じていたという。 

「この状況で1軍に残してもらえているのが、本当に嬉しく思いますし、去年からしたら全然想像もしていなかったので。いい経験させてもらっているなと感じています」

坂本(後列)、甲斐(左端)らとともに過ごした時間は貴重な学びとなった【写真:井上学】坂本(後列)、甲斐(左端)らとともに過ごした時間は貴重な学びとなった【写真:井上学】

 1、2年目は3軍が“居場所”だった。打席数や守備機会を多くこなし、攻守でプロのスピードに慣れることに必死だった立場から、今季の支配下昇格後は1軍メンバーとして満員のファンに全力プレーを披露し続けた。

 初めて経験した高揚感。自身にとって未体験ゾーンの大一番になればなるほど、ベンチやロッカールームにいる先輩たちの姿に驚き、偉大さを感じていた。

終戦のCS第2戦も経験…悔しさを糧に

「ベテランの選手はやっぱり、シーズン中とあんまり変わらないような感じだったので。それは本当に凄いなと思いました」

 難しいのは、平常心を保つことだという。「僕は去年までは3軍でしかほとんど出たことがなかったので、何事にも緊張します。(CSで)ランナーでベースに立ったことでもすごく緊張しました。何て言うんですかね……表情を変えずにやれるのがやっぱり凄いなと思いました」。経験値に裏付けされたスター選手の振る舞いを間近で見たことは、大きな学びとなった。

 巨人が終戦を迎えた11日のCSファーストステージ第2戦でも途中から出場。1-3の7回2死二塁の場面で打席が回ってきたが、伊勢大夢投手の前に空振り三振。思わず天を仰ぎ、悔しさをにじませた。

シーズンの“最終打席”は無念の空振り三振に終わった【写真:井上学】シーズンの“最終打席”は無念の空振り三振に終わった【写真:井上学】

「もう最後はメンタルだと思います。メンタルが強い方が勝てると思うので。何としてでも塁に出ないといけない立場だから、とにかく塁に出るぞっていう気持ちでやっていました」

 試合前にこう意気込んでいた22歳。喜びも悔しさも経験し、鍛錬に励むオフを迎える。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

RECOMMEND

CATEGORY