DeNAの一員として…浜地真澄が秘めたプライド プロ初S→古巣・阪神連覇も「全部無視」

今季、33試合に登板しDeNAブルペンを支えた浜地真澄【写真:加治屋友輝】今季、33試合に登板しDeNAブルペンを支えた浜地真澄【写真:加治屋友輝】

阪神とのCSファイナルへ「優勝チームで強い相手、僕の古巣でもある」

 クライマックスシリーズ(CS)の舞台で、甲子園に帰ってきた。DeNAの浜地真澄投手は「優勝チームで強い相手というのは大前提にありますし、僕の古巣でもある。そこは、少なからず意識はあります」と、14日から始まるファイナルステージへ静かに闘志を燃やした。

 今やチームに欠かせない中継ぎのひとりだ。2024年オフの現役ドラフトで阪神からDeNAに移籍。2025年はわずか3登板で防御率6.00のまま、7月に右肘肘頭固定術、右肘クリーニングの手術を行った。

「(成功は)2分の1くらい、57%」という手術を経て、同年オフに育成契約に。今年7月10日に支配下復帰し即1軍に昇格すると、そこから33登板で21ホールド1セーブ、防御率1.10という驚異的な働きを見せた。

 プロ10年目にして初セーブを挙げたのは、ナイターで行われた10月3日の巨人戦(東京ドーム)だった。この試合、マジック「1」の阪神はデーゲームで敗れ、巨人が負ければ優勝が決まるという一戦だった。

 そこで3点リードの9回に登板したのが、元阪神の浜地だ。代打の坂本勇人内野手から空振り三振を奪うなど3者凡退で封じ、試合を締めた瞬間に古巣の連覇が決まったのだった。これには元同僚たちからも連絡が来たそうだが、そこには右腕のプライドがにじんだ。

巨人戦でプロ初セーブをあげた浜地真澄【写真:加治屋友輝】巨人戦でプロ初セーブをあげた浜地真澄【写真:加治屋友輝】

「阪神のために戦っていたわけじゃないので」

「何人かから(連絡が)来ていましたけど、全部無視しました。僕は横浜のために戦っているだけなので。阪神のために戦っていたわけじゃないので、そこは別に何ともって感じです。だから無視しました」

 この試合、DeNAは3連敗中であり、ファイナルステージで阪神に2勝のアドバンテージが与えられる条件のひとつである「勝率5割以上」が懸かった試合でもあった。勝利すれば阪神の優勝が決まる試合だということはわかっていようとも、とにかくDeNAの勝利のためにだけ右腕を振っていた。

 セーブシチュエーションの9回のマウンドは「リリーバーにとって特別なイニングなので、いつもとは違う変な緊張感、ソワソワ感みたいなのはありました」と明かす。それでも「マウンドに上がってしまえば大丈夫なので」といつも通りアウトを奪った。

 常にマウンドで飄々(ひょうひょう)と投げる裏には、浜地なりの考えがある。

「行ったらもう、結果はどうでもいいと思っているので。行くまでの準備をやっているつもりなので、悪い結果が出ても『やることをやって打たれたら仕方ない』と思って行っています。結果は知らないというか、やることをやってきたからなるようになるみたいな感じです」

同学年の“3冠王”佐藤輝明とも「いい勝負ができればいいかな」

 阪神を離れて2年が経った。敵として相対するタテジマ軍団の手強さは、外から見ても改めて感じている。

「シンプルに個々の能力が高いなっていうのは、中にいるときも外に来てからも思いますし、そこにチームとしての規律みたいなのがあるなとは思います。個人の能力が高くて、チームとしてもその能力が一体となっているというか、そういうイメージですね。両方が合わさっているなと思います」

CSでも甲子園での登板に期待がかかる【写真:黒澤崇】CSでも甲子園での登板に期待がかかる【写真:黒澤崇】

 そんな絶対的王者を相手に、CSの短期決戦に挑む。ファーストステージの巨人戦(東京ドーム)では、10日の初戦は1-1の8回をわずか9球で3者凡退に抑え、直後に度会隆輝外野手の決勝弾が飛び出し勝利投手となった。11日の第2戦は4-1の8回を無失点に封じてホールドを挙げた。甲子園でもきっと、大事な場面での出番が待っている。

「本当に球場も好きですし、甲子園には思い出もたくさんあります。ほぼ阪神ファンだと思うんですけど、僕は好きというか、育ててもらったファンだと思っているので、そういう人たちの前で投げられるっていうのは幸せだと思いますし、いい敵として立ちはだかれればいいなと思います」

 史上9人目の3冠王に輝いた佐藤輝明内野手とは同じ1998年度生まれ。阪神時代には“98年会”として年に2〜3回は同学年メンバーで集まって食事をしていたそうで「僕は仲良かったと思っています。いい勝負ができればいいかなと思います」と微笑んだ。

 聖地を埋め尽くす虎党が嘆くような姿を浜地が見せたとき、ベイスターズは勝利に近付いているはずだ。

(町田利衣 / Rie Machida)

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