DeNA岩田が阪神戦力外から2年、CSで古巣をピシャリ

阪神戦で好投したDeNA・岩田将貴【写真:井上学】
阪神戦で好投したDeNA・岩田将貴【写真:井上学】

レギュラーシーズンは対左打者の被打率.314、阪神との対戦防御率6.75

■DeNA 2ー0 阪神(15日・甲子園)

 DeNAは14日、甲子園球場で行われた阪神との「2026 JERA クライマックスシリーズ(CS) セ」のファイナルステージ第1戦に2-0で勝ち、アドバンテージを含めて1勝1敗のタイとした。阪神に4年間在籍後、戦力外通告を受け、昨季からDeNAでプレーしている変則左腕・岩田将貴投手が“古巣”を相手に好救援し、万感の思いを吐露した。

 2-0とリードして迎えた6回の守備。先発の平良拳太郎投手が2死から、大山悠輔内野手に左翼フェンス直撃の二塁打を浴びると、相川亮二監督は即座に投手交代を決断した。2番手でマウンドに上がったのが岩田だ。

「いつも通り投げようと思っていた」というが、左打席に入った相手打者の顔を見て、複雑な思いがよぎった。「バッターが同期入団の、のぞむ(高寺望夢内野手)だったので……」

 2020年のドラフト会議で、岩田は育成1位、高寺は支配下の7位で阪神から指名され入団した。この年の阪神のドラフト1位は今季打撃3冠に輝いた佐藤輝明内野手、2位は伊藤将司投手、5位はこの日先発した村上頌樹投手、6位は中野拓夢内野手、8位は石井大智投手で、育成枠での指名は岩田1人だった。

 高寺をフルカウントから四球で歩かせると、阪神ベンチは左腕の岩田に対し、あえて左打者の木浪聖也内野手を代打に送ってきた。というのも岩田は今季、セオリーとは違い、右打者を被打率.179(39打数7安打)に抑え、“左対左”では同.314(70打数22安打)と打ち込まれていたのだ。さらに言えば、今季は古巣の阪神を対戦防御率6.75と苦手にしていた。「左打者にやられ、タイガースにやられていたので、シーズンとは違うところを見せたいと思っていました」と明かす。

DeNA・岩田将貴(左)と松尾汐恩【写真:井上学】
DeNA・岩田将貴(左)と松尾汐恩【写真:井上学】

「この時期はいつも宮崎にいて、CSはテレビで見たことしかなかった」

 一発逆転のしびれる場面で、岩田は木浪をカウント1-2から、外角低めのスライダーで空振り三振に仕留めピンチを脱出。左手を握りしめながら、歓喜の雄叫びを上げた。

 阪神時代には、2年目の2022年に支配下登録を勝ち取ったが、結局1軍登板なしに終わった。「1年目からプロの世界を全部教えてくれた球団ですし、本当にお世話になりました。阪神ファンの方々を含めて、少しでも成長した姿を見ていただけたらと思っているので、こういう結果になってよかったです」と感慨深げだ。

 新天地のDeNAでは昨季、プロ初登板を含め3試合に登板。今季は27試合に登板し2勝0敗4ホールド1セーブ、防御率2.22と躍進した。CSでも巨人とのファーストステージ第2戦に2番手で登板し、1イニングを3者凡退に抑えていた。

「この時期はいつも宮崎(フェニックス・リーグ)にいて、CSはテレビで見たことしかありませんでした」と振り返り、「ここまで長かったですが、しっかり甲子園で投げられたことはいい経験になりますし、使ってくださる首脳陣の方々に感謝です」

 DeNAは、今季と同じシーズン3位からCSを勝ち上がり日本一に輝いた2024年の再現へ向け、着々と歩を進めている。「ブルペン陣1人1人がお互いをカバーしていますし、チーム全体でもカバーし合って勝っていこうとしています。凄くいい雰囲気だと思います」と語る岩田も、これまで体験したことのなかった充実感に包まれている。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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