DeNAレイノルズが国歌斉唱に加わる理由 明かした日本への思い「すごく意味深い」…大切にしている瞬間

国歌斉唱に加わるDeNAのショーン・レイノルズ(右)【写真:井上学】国歌斉唱に加わるDeNAのショーン・レイノルズ(右)【写真:井上学】

62登板で防御率1.59…CSでは6試合中5試合でセーブ

 試合開始直前、203センチの大きな体がベンチ前に並ぶ。カード初戦の「国歌斉唱」。DeNAのショーン・レイノルズ投手は帽子を取り、真剣な眼差しで仲間たちとともに「君が代」を聞いている。

 救援投手は試合開始時はまだベンチにいないことが一般的なため、国歌斉唱の列に並ぶのは珍しいことだ。さらに助っ人ということもあり、度々列に登場する姿は話題となった。

 チームは数年前から一体感を出すため、投手陣もベンチでプレーボールを迎えることが増えた。米国では“当たり前”の光景ではあるが、今季から加入したレイノルズも「みんなとの繋がりを感じて試合に入りたい」とベンチに姿を現し、力強いハイタッチで鼓舞して野手をグラウンドに送り出している。

 シーズンでは62登板で4勝2敗、防御率1.59、17セーブ30ホールドとフル回転。「2026 JERA クライマックスシリーズ(CS) セ」でも6試合中5試合に登板して5セーブを挙げ、日本シリーズ進出に貢献した。

「あの瞬間だけはすごく静まり返る。その瞬間が…」

「超」が付くほどナイスガイな助っ人右腕にとって、「君が代」を聞いている時間はどんな時間なのだろうか。そこには2つの思いがあった。

「試合が始まるときにあそこに並ぶと、自分にもチームのみんなにも、自分がチームの一員であることを感じてもらえるような気がします。自分の仕事はブルペンにいて、試合の本当に最後の一部でしか参加することがないんですけど、やっぱり試合が始まるときにみんなと一緒にいることで、チームの一員だということを示せる、それを感じられる時間です」

 リリーフカーに乗らず、堂々とマウンドに現れる。チームメートが繋いだバトンを受け継ぎ、最後の3つのアウトを取ることに心血を注ぐ。とてつもないほどの重圧と戦うためにも、プレーボール前から“チーム一丸”を肌で感じ、試合に入り込んでいる。

マウンドを離れていても仲間と喜怒哀楽を共にしている【写真:井上学】マウンドを離れていても仲間と喜怒哀楽を共にしている【写真:井上学】

「もう一つは、国歌の時間は球場がすごく静かになりますよね。米国との大きな違いなんですが、日本の球場は試合中もファンの皆さんがつくる雰囲気が熱狂的で大きな声援がずっと聞こえる。でもあの瞬間だけはすごく静まり返る。その時間が自分の中ですごく意味深いもので素晴らしいと思っていて、その瞬間を感じられることを楽しんでいます」

 日本のプロ野球は「鳴り物応援」と言われ、太鼓やトランペット、ラッパなどの楽器を使った演奏や、歌や手拍子が響く。選手の応援歌やチャンステーマなど種類も多く、試合中は常に大音量での応援が続く。一方、米国では基本的に鳴り物を使った応援はなく、“観戦スタイル”が多い。

 そんな日本の応援スタイルを、レイノルズは好意的に受け止め、ファンにリスペクトを示す。

「すごく面白くて格好いいと最初から思っていました。特徴的なのは、日本のファンはしっかりゲームの中に入っていること。試合の始まりから最後まで試合の一部となって、彼らの情熱であったり、チームへの愛、誠実な気持ちを示してくれている。プレーヤーたちはそれを感じることができるので、日本で野球をすることに対して本当に楽しさをつくり出してくれる存在だなと思っています」

頼もしい助っ人守護神が2年ぶりの日本シリーズ制覇へ貢献する【写真:井上学】頼もしい助っ人守護神が2年ぶりの日本シリーズ制覇へ貢献する【写真:井上学】

 CSでは東京ドームで行われた巨人とのファーストステージで、第1戦は1点リードを無失点、第2戦は3点リードで3者連続空振り三振と圧倒した。阪神とのファイナルステージでは毎試合走者を出しながら失点は許さず。同一年のCSでは最多となる5セーブを挙げ「いい投球ではなかったかもしれないけど、自分の仕事ができたことはすごく誇り」と厳しい戦いを勝ち抜いた。

 一面、敵ファンに囲まれた甲子園のマウンドに仁王立ちした守護神は「日本でも一番声援が大きい球場だと思う。みなさんが作ってくれた雰囲気で、僕たち選手が楽しくプレーできたんじゃないかと思います」と頼もしく話した。

「CSではこのタイミングで野球ができていることに対する感謝の気持ちも感じながら、あの瞬間(国歌斉唱)に立っていたように感じています」とレイノルズ。戦いには続きがある。2年ぶりの日本シリーズ制覇へ、ベイスターズには日本を愛する頼もしい男がいる。

(町田利衣 / Rie Machida)

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