中学生でプロ入りの“利点と課題” 元捕手の経験則…巨人が挑む未知の育成領域

巨人から育成5位指名を受けた多摩川ボーイズ・関蓮太郎【写真:イワモトアキト】
巨人から育成5位指名を受けた多摩川ボーイズ・関蓮太郎【写真:イワモトアキト】

育成ドラフト5位で多摩川ボーイズ・関蓮太郎捕手を指名

「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が22日、都内のホテルで行われ、巨人は育成5位で川崎市立向丘中の関蓮太郎捕手を指名した。2011年12月生まれの14歳。小学6年生の時にはジャイアンツジュニアに選出され、巨人創設の中学硬式チーム・多摩川ボーイズに所属している。中学生の指名は、2004年に阪神が指名した辻本賢人以来。当時の阪神でプレーし、ヤクルト、日本ハム、横浜でも捕手として活躍した野口寿浩氏は、まず体力面の課題を挙げた。

「中学3年生と高校3年生では、3年分の体力差がある。それはどうにも埋まらないと思う。体が大きくても、“芯”の部分での強さが違うので」

 関は179センチ、82キロと中学生離れした体格だが、見た目の大きさにだまされてはいけないという。捕手特有の負担もある。

「二塁、三塁への送球は、実際に投げないと良くなっていかない。でも肩の強さは、投げてきた数でつくもの。中卒と高卒では、投げてきた数が違う。いきなり投げさせたら、壊れる可能性は高いと思う」

 野口氏はヤクルトのコーチ時代、大卒や社会人出身の捕手でも、かつての量の送球練習をすると翌日に肩の痛みを訴える姿を見てきた。高卒で入った捕手でも、入団直後はたくさん投げさせられなかった。大卒の捕手の方が、かえって肩が弱いこともあったという。肩の強さは年齢だけでは測れず、見極めが欠かせない。

 巨人は3軍まで持つが、3軍にも実戦がある。すぐに試合で起用するのは難しく、まずは体づくりと体力強化を優先した別メニューになると予想する。3軍の練習で、ブルペン捕手のように投手の球を受ける役割から始めるのも一案だという。

「今後3年間は高校に行ったつもりで、その強度で練習させる必要がある。プロの強度に、いきなり合わせちゃダメ」

育成にかかる期間は…将来の“ドラフト1位”級

 育成にかかる時間の目安は「10年ぐらい見ないと」。8年たっても22歳で、大学を卒業する年齢だ。その時にドラフト1位級になっている逸材と見込んでの指名でもある。

 一方で、利点もはっきりしているという。

「高校に行ったとして、指導者から間違った指導を受けてしまうことは避けられる。技術をつけていくには、プロの中にいるのが一番手っ取り早い」

 15歳で入団した辻本とは接点は少なかったが、「体の線は細かった印象です。でも、一生懸命練習していたみたい」と振り返る。まずは一にも二にも体づくり。受け入れる球団側のサポートも重要だ。1位指名の横浜・織田翔希投手を含め、上位4人を高校生で固めた今年の巨人。14歳の捕手は、日本球界に新しいルートを開く存在になるのか。答えが出るのは、10年後になりそうだ。

(Full-Count編集部)

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