優勝した各チームを支えたストロングポイント

レッドソックス躍進のキーは「ベテラン」の力

 優勝するには訳がある? 27日にカージナルスがナ・リーグ中地区を制覇し、すべての地区Vが決定したメジャーリーグ。米全国紙USAトゥデーは全優勝チームの特集記事を組み「素晴らしい〇個のことがら」と題して、笑えるネタも含めて長所を挙げている。

 まずは、上原浩治、田澤純一を擁してア・リーグ東地区を制したレッドソックス。日本人が所属するチームでは唯一の優勝となった。出塁率、長打率、平均得点がメジャー1位を記録した『攻撃陣』、昨季からの大躍進を意味する『ビリから首位』など15個が挙げられた中で、『ベテランの力』が入っている。

 その象徴は、もちろん守護神の上原だ。チームの顔のデビッド・オーティズとともに名前を挙げられ「上原が9回を支配することで、ブルペンが安定した」と絶賛されている。また、今季の試合中に怒り狂ったオーティズが、ベンチでブルペンにかけるための電話をバットで破壊している映像を紹介し『彼に電話を与えるな』という項目も“長所”の1つに入っている。

 ア・リーグ西地区を2連覇したアスレチックスは、小ネタを中心に17個。2011年に公開された映画『マネーボールがまだヒット中』や、ハリウッドスターを味方につけていることを自慢した『トム・ハンクスがファン』などに交じり、鉄壁で知られる『守備力』、ジョシュ・ドナルドソンの貢献度を表現した『誰も知らないベストプレーヤーがいる』、2005年のサイ・ヤング賞右腕であるベテランの活躍に触れた『バートロ・コロンがまだ進歩している』などが強さの理由として挙げられている。

 中地区連覇のタイガースは16個。20勝のマックス・シャーザー、防御率1位の兄バル・サンチェス、絶対的エースのジャスティン・バーランダーを擁した『先発陣』、今季もMVP級の活躍を見せる『ミゲル・カブレラ』、新人王候補の筆頭である『ホセ・イグレシアスの守備』など誰もが納得する項目が並ぶ。一方で『プリンス・フィルダーが子供の頃に出演したマクドナルドのCM』など、優勝には全く関係ない話も。

プレーオフではどんな選手が活躍するのか

 ナ・リーグでは、東地区優勝のブレーブスが15個。『駐車場にワッフル屋がある』が真っ先に挙げられているが、ショートの名手『アンドレルトン・シモンズの守備』、自己最多の50セーブを記録した守護神を褒めたたえる『クレイグ・キンブレルは超人』、それ以外のリリーフ陣を評価する『キンブレルだけではない』といったチームの真面目な長所も、しっかり盛り込まれている。

 ナ・リーグ西地区は、ドジャースが序盤戦の出遅れを帳消しにする圧倒的な快進撃で優勝。17個の長所が挙げられた。その原動力となったキューバ出身の新人外野手『ヤシル・プイグの強肩』、3年連続で防御率1位のエース左腕『クレイトン・カーショーのカーブ』、クローザーを努める『ケンリー・ジャンセンのカットボール』などが並んだ。一方で、ハリウッド俳優の『ダニー・デビートはニック・プントが大好き』や、名物実況の『ビン・スカリーが現役』、さらには元NBAのスパースター『マジック・ジョンソンが共同オーナーの1人』といった独特の有名人ネタも紹介されている。

 最後に、中地区を制したカージナルスは15個。超人気ラッパーでチームの大ファンの『ネリーのサポート』といった項目もあるが、真面目な内容が多い。総得点でリーグ1位を記録した『攻撃陣』、復活したエース右腕の『アダム・ウェインライトのコントロール』、攻撃を牽引するチームの大黒柱『カルロス・ベルトラン』、さらにメジャーNO1キャッチャーの『ヤディル・モリーナの強肩』などスター選手たちの活躍をクローズアップしている。

 プレーオフは選手の活躍を見ながらこういった特徴にも注目すると、面白さが倍増しそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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