奪三振王、プレミア12で157キロも…楽天・則本の先発としての課題は?

昨季最下位のチームで浮上の鍵握るエース

 2015年、最下位に沈んだ楽天において、唯一タイトルを獲得したのがエース・則本昂大だった。ルーキーイヤーから3年連続開幕投手となった昨季は、ともに自己ワーストの10勝11敗に終わるも、2年連続で最多奪三振のタイトルを獲得。防御率はプロ入り最高の2.94を記録した。

 ただ、着実に実績を積む一方で、エースとしてチームを上位進出に導くことはできなかったことも事実。新シーズンも柱として期待がかかる右腕には、何が課題となるのか。ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜と4球団で捕手として活躍した野球解説者の野口寿浩氏に、昨年の全投球の分布が分かる「球種別コース比重ヒートマップ」、結果球の「被打率別ヒートマップ」から投球を分析してもらった。

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2015年 則本昂大の球種別コース比重ヒートマップ

 野口氏がまず目を付けたのは、ストレートの「高さ」だ。ストライクゾーンのうち、高めが268球、真ん中が405球に対して、低めはわずか107球。浮き上がるような直球が武器の右腕だけに、野口氏は「則本の投球スタイル、フォームだと高めに集まってしまうのかな」としながらも、「ちょっと高いですよね。低めが少なすぎます」と指摘した。

「(中継ぎとして起用された)プレミアの時みたいに短いイニングで低めを意識しすぎない場合はいいと思うのですが、レギュラーシーズンでは先発の軸です。やはりある程度低いところにも集めないといけないと思うんですよね」

 150キロを超える速球を持っている則本と言えども、長いイニングを投げる際は高めに集まるほど被打率は高くなる。11月の世界野球「プレミア12」で、救援投手として自己最速の157キロを計時した投球と、先発投手として1年間通して戦うための投球とでは、状況が異なる。レギュラーシーズンでは1試合を通じて、球威で押し切るという力任せの投球ができないだけに、低めへの投球の増加が被打率低下、投球の安定感へつながる。このあたりが右腕にとって最大の課題と言えそうだ。

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