ヤンキース監督が田中将大の離脱を受け“総動員指令” 「ステップアップするチャンスだと捉えろ」

チーム全員に奮起を求めるジラルディ監督

 ヤンキースのジョー・ジラルディ監督は田中将大投手の負傷離脱を受け、投手陣にピンチをチャンスと捉えるように要求した。USAトゥデー紙が「ヤンキースはマサヒロ タナカの今季欠場の事態に備える」という見出しで特集している。

「他の選手がステップアップするチャンスだと本当に捉えてほしい。自分が何をできるのか見せてほしい。我々の多くの選手がメジャーデビューを果たすことになる。誰かがケガをすれば、他の人間は出場機会を手にすることになる。そして、そこで実力を証明し、しがみついてほしい」

 ジラルディ監督はそう話している。

 田中はシアトルでヤンキースを含む3球団のチームドクターの診察を受け、右肘靭帯の損傷と診断された。6週間程度の保存療法で患部の治癒を目指すが、回復が思わしくない場合、靱帯再建手術(トミー・ジョン手術)に踏み切る可能性もある。その場合は今季のみならず、来季中の復帰も困難となる見通しだ。

 ピンストライプの名門の屋台骨となってきたエースには長期離脱のリスクが存在するために、田中の離脱で生じた広大な穴を埋めるべく、現在ヤンキース傘下のマイナーに所属する若手を含むヤンキース全ピッチャー陣に今以上の奮起を求めた。

 ジラルディ監督は「どの先発投手も(田中のような)防御率(2・51)で12勝4敗というわけにはいかない」としながら、ピッチャーのみならず、野手陣にも奮起を求めている。「誰も先発ローテーションの4人が故障者リストに入ることなんて予定していなかった。だが、何とかしなければいけない」とも話している。

 ヤンキースは田中の長期離脱が発覚後、アスレチックスからジェフ・フランシス投手を緊急補強。今季18回1/3を投げ、防御率は5・89と打ち込まれており、エースの代役と呼ぶには実に心もとない。「実は彼のピッチングをあまり見ていない。ここに来たら彼についてより知ることになるだろう」とジラルディ監督は語り、別段頼りにしている様子でもない。

 11日(日本時間12日)のア・リーグ東地区首位オリオールズ戦で2-3負けを喫し、ゲーム差は5に開いた。2年連続のプレーオフ進出失敗という屈辱的事態を避けるには、ピンストライプは総動員で田中の穴を埋めるしかない状況だ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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