背水の陣・斎藤佑樹に“トレンディエース”西崎氏が助言「ストレートを磨け」

日本ハム・斎藤佑樹【写真:荒川祐史】
日本ハム・斎藤佑樹【写真:荒川祐史】

37歳まで現役だった自身の経験を基に「結果が出なかったら…」

 2016年以来3年ぶりの日本一を目指し、好位置につける日本ハム。昨季は1軍登板が3試合にとどまりながら、開幕1軍を果たした今季は救援として再起を期すのが、9年目右腕の斎藤佑樹投手だ。早稲田実業から早稲田大を経て、2010年ドラフト1位入団を果たした斎藤は、右肩痛で出遅れた2013年以降、思うような成績を残せず。30歳で迎えた今季を背水の陣で迎えている。

 そんな斎藤について「3~5年の間で結果が出なかったら、大幅に変える必要はあると思う」と厳しいながらも愛を込めた言葉を送るのが、かつて日本ハムでエースだった西崎幸広氏だ。現在は日本ハムでOB会長を務める元右腕は、ここ数年は注目されながらも結果を残せない斎藤に「ストレートをもう一度磨かないと」とアドバイスした。

「ピッチャーの基本はストレート。今、斎藤君のストレートは時速140キロ前後なので、僕は原点に戻って145キロくらいまで出るようにした方がいいと思います。そうすれば、もっと変化球が生きてくる。140キロ前後のストレートに、100キロくらいの変化球だったら、バッターは怖くないですよ」

 一般に、投手は30歳を迎える頃に体に変化が生まれ、投球スタイルを模索することになると言われている。1987年のデビューから37歳まで14年間現役を続けた西崎氏も「30歳ちょっとで壁にぶち当たった」1人だという。20代の頃よりもキレがなくなったストレートを捨て、変化球で勝負する技巧派に変身。だが、そもそも技巧派の斎藤の場合、「逆に変化球を生かすための投球をするしかない」と見ている。

「つまり、ストレートを見せ球にするということですよね。時にはストレートをズバッと決めてみせる。ストレートでもストライクが取れるんだというところを打者に見せておかないと、斎藤君の場合、変化球だけ待っていればいいことになりますから。同じことを繰り返せば、打者は研究してきます。何かを少しずつ変えていかないと。

 ベテラン投手が新球に挑戦するのも同じことですよ。実際に投げなくても『今年はツーシームを多投します』って言えば、メディアが取り上げる。そうすれば打者の頭にはツーシームが残りますから。一種の頭脳戦です。僕も投球練習で落ちないフォークを投げて、記者に聞かれたら『使えるようだったら使おうと思って』と言っていた時期があります(笑)。試合で点差が開いている時に1球投げれば、他球団のスコアラーはデータとして残す。そうなれば、投手の思うツボですよ」

「自分をしっかり持っているからこそ、変えられないのかもしれません」

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