「より長く愛される存在に」ベイスターズが球界初赤ちゃん絵本に込めた思い

DeNA広報部の池田紗里さん【写真:佐藤直子】
DeNA広報部の池田紗里さん【写真:佐藤直子】

4月から横浜市内の4か月児健診で「スターマン!おきてくださーい」を無料配布

 地域に根付いた球団作りを目指す横浜DeNAベイスターズ。神奈川県内の幼稚園、保育園、小学校に通う子供たちにベースボールキャップを配布したり、選手寮で提供される「青星寮カレー」のレシピを横浜市内学校給食用に提供したり、これまでも様々な取り組みが行われてきたが、今年4月からは新たに赤ちゃん絵本「スターマン!おきてくださーい」を横浜市約3万人の乳児に無料配布している。

「横浜にある球団ですので、市民の方々に貢献できることはないか探す中で、ベイスターズがより長く愛されるような存在になるにはどうしたらいいのか、考えていたんです。ご家族何世代にもわたって、ユニホームを着て球場に来てくださる光景がもっと見られるようになりたい。家族の会話でもっと野球やベイスターズが登場するようなコミュニケーションツールがあるといいなと。そこで、お子さんに読み聞かせができ、家の中に長く存在できる絵本がいいんじゃないか、という話になりました」

 球界初の赤ちゃん絵本誕生のきっかけについて語ってくれたのは、発案から制作に携わった広報部の池田紗里さんだ。4月1日から横浜市内の4か月児検診会場で無料配布されている絵本は、企画から配布まで約1年を要したプロジェクトの産物。絵本制作が決まってから、池田さんは書店の絵本コーナーに足繁く通ったという。そこで気が付いたのは「絵本は長く愛されるロングセラーが多い」ということだった。

「お母さんが子供の頃に読んで好きだった絵本を、自分の子供に読んであげたり。繰り返し、長い付き合いになるのだなと感じました」

 絵本を制作する上で、一番の肝となるのは誰に絵本を書いてもらうかだ。球団が絵本に込めたい思いや世界観に共感し、表現してくれる作家を探す過程で、池田さんは最終的に「いいなと思った絵本を3冊買ったんです」という。その中の1冊が、横浜市在住の絵本作家・ひらぎみつえさんの作品だった。

絵本をきっかけに家族でコミュニケーションが生まれるように…

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