ロッテ種市、投げ勝った同級生オリ山本へ抱く思い「足元にも及ばない」

ロッテ・種市篤暉【写真:荒川祐史】
ロッテ・種市篤暉【写真:荒川祐史】

16日の試合で投げあった1998年生まれの20歳同士

■ロッテ 9-2 オリックス(16日・ZOZOマリン)

 ロッテ種市篤暉投手が16日、本拠地ZOZOマリンスタジアムでのオリックス戦で今季3度目の先発登板し、3勝目を飾った。同じ1998年生まれの20歳、オリックス山本由伸投手に投げ勝ち、6回5安打2失点で自身3連勝とした。

「自分たちの世代の中では一番いいピッチャー」と山本を表現した種市。「意識しないというのは嘘になるので」と、20歳対決を十分に意識しながらマウンドへと上がった。しかし、その意識が気負いを生んだのか2回無死一、三塁のピンチを招くと、6番マレーロへ投じた初球のフォークが外れて暴投で1点を失う。さらに1死一、二塁から若月には真ん中へのスライダーを左翼前に運ばれ、先に2点を失った。

「これ以上(点を)やったら勝てない」と自らを戒めた種市は「無失点で行こう」という強い意志を前面に出し、3回以降オリックス打線を2安打無失点に抑えた。特に種市が意識したのがイニングの先頭打者。3回以降、いずれも先頭打者に出塁を許さず。試合後は「先頭だけは!」と大きな声で反応し「集中していました。先頭だけは」と繰り返して答える姿に、いかに種市が先頭打者を抑えることに注力していたのかが伺えた。

 そして前回は降板することとなった6回。3番大城の強烈なピッチャー返し。「これが抜けたらセンター前だな、と。自ら当たりに行きました」と瞬時に自らの足を閉じて打球を止め、投ゴロに打ち取り1アウト。吉田正を内角低め148キロの直球で見逃し三振に切って取り2アウト。5番小島に四球を与えたものの、マレーロを遊ゴロ。「自分ではもう1イニング(投げたい)と思っていた」というが、吉井投手コーチから「次もあるので、次の準備をしていこう。次は7回いけるようにしよう」と諭され、ここで降板。今季自己最長の6回91球、5安打2失点(自責点1)。直後の6回裏、失策を起点に味方打線が勝ち越しに成功し種市に3勝目が舞い込んだ。

「(勝利は)3戦全部ラッキーだと思っています」と、自身の3連勝について語る種市。結果的に山本との20歳対決を制する形となったが「(山本には)自分は足元にも及ばないと思っています。近づけるようにというか、追い越せるように力をつけていきたい」と、同年代の好敵手との再戦へ向け、更なる高みを目指すつもりだ。

「ピンチでもしっかり腕を降って投げることが出来ていて成長を感じる。これからのマリーンズを支えるピッチャーになる」と井口監督も期待を寄せる20歳右腕。試合日程と疲労を考慮して、1度先発ローテーションを飛ばされる予定だが、涌井、二木と並ぶチーム最多の3勝目を上げた種市が、次回登板でどんな投球を見せるのか。そしてこの先、どこまで飛躍を遂げるのか。

(岩国誠 / Makoto Iwakuni)

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