【U-18アジア選手権】寺島の快投を好リードと先制弾でサポート 頼れる女房役・九鬼隆平
結成間もないバッテリーに生まれた信頼、快投寺島は「基本(リードを)任せています」
台湾・台中市で開催中の第11回BFA U-18アジア選手権。2日に行われたセミファイナルラウンド第1戦で、日本は寺島成輝(履正社)と早川隆久(木更津総合)がノーヒットノーランの継投を見せ、中国を8-0で破った。中でも光ったのは、7回を無安打13奪三振1四球無失点という準完全投球で、中国打線を圧倒した寺島のピッチング。ややもすると、力強いストレートだけに目を奪われがちの寺島の投球だが、巧みに変化球を織り交ぜる緩急をつけた配球も魅力で、そんな左腕の力を十二分に引き出したのが、バッテリーを組む九鬼隆平(秀岳館)だった。
1回先頭打者から4者連続三振に仕留めた。球にキレがあるため、球速以上に速く見える寺島のストレートに対し、中国打線はまったくタイミングがあっていなかった。振り遅れるばかりか手も出ない。ミットを構える九鬼は「成輝の一番いいボールは真っ直ぐだと思う。中国も合っていなかった」と積極的にリードした。中盤からは変化球を投入。「真っ直ぐで勝負していっても打たれることもあるので、早い回はとりあえず真っ直ぐでどんどん押して、その相手の対応を見てからいろいろ考えようと言っています」という狙い通り、緩急でタイミングを狂わされた中国は手も足も出ず。寺島の快投劇につながった。
招集から練習期間を含めても、結成わずか10日ほどの即席バッテリーだ。それでも寺島は「私生活からピッチング、野球のことも話しやすい。基本(リードを)任せています」と全面的な信頼を置く。九鬼自身「コミュニケーションを取ることを大切にしています」と積極的に話し掛け、「野球のことを話すのも大事だけど、彼の野球の時だけじゃなくて私生活の性格を把握することも大事」と、あっという間に打ち解けた。何よりも、日本全国の高校を代表する投手たちのボールを受けられるのがうれしい。「本当に素晴らしいボールが来る。(短期間のチームだと)キャッチャーは難しいって言われることもあるんですけど、ああいうピッチャーを受けると、本当に楽しいですね」と目を輝かせた。