広島安部、自力V消滅回避弾! セ界王者の意地「誰も諦めていなかった」

広島・安部友裕【写真:荒川祐史】
広島・安部友裕【写真:荒川祐史】

9回3点差を追いつき…安部が延長10回にサヨナラ5号ソロ

■広島 6-5 中日(23日・マツダスタジアム) 

 広島の安部友裕内野手が23日、中日戦(マツダスタジアム)で劇的サヨナラ本塁打で中日との延長戦に決着をつけた。3点ビハインドの9回に菊池涼のタイムリーとバティスタの2ランで同点に追いつき、延長戦に入った10回裏、先頭打者の安部が中日6番手の祖父江からレフトスタンドに入る5号ソロを放って試合を決めた。

「前の打席にいい場面で回してもらっていたのに、ああいう結果(併殺打)になってしまったので、僕が決めてやろうと準備をしていた」という安部は、初球のスライダーを見送った後、2球目の外角高めの147キロのストレートを打ち返した。緒方監督が「打ち上げたかと思った」という打球は失速することなく、レフトスタンドまで届いた。一発を狙っていたのかという記者の質問に、安部は「その気持ちだった。外の甘めの浮いた球。練習通りの打撃ができた」と、狙い通りの一撃だったことを明かした。

「これまで全然、チームに貢献できていなかったので嬉しい」と安部が話したように、不振の選手が多いチームは借金2。巨人から9ゲーム差を離されて3位と予想外の成績となっている。安部は「なかなか噛み合わない時期もあるが、集中力を切らさないようにした。連敗の時期もあったが、誰も諦めていなかった」と、苦難の時期を振り返った。

 自力優勝消滅危機が続くチームで、緒方監督の言う「日替わりヒーロー」の1人となった。「今日は完全に覇気で打ちました」。4連勝と復調気配のチームの中で、ムードメーカーが3連覇中に何度も連呼した得意のフレーズが蘇ってきた。

(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)

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