日ハム谷口、清宮の代打に「すごいプレッシャー」も…起用に応える決勝打

日本ハム・谷口雄也【写真:石川加奈子】
日本ハム・谷口雄也【写真:石川加奈子】

7回に値千金の勝ち越し打、栗山監督からは「得点圏なら幸太郎のところで行くよ」

■日本ハム 4-3 楽天(31日・札幌ドーム)

 日本ハムの谷口雄也外野手が31日、本拠地楽天戦の7回に代打で登場し、決勝二塁打を放った。

 3-3の同点に追いついて楽天の則本昂を引きずり下ろした後に迎えた7回2死二塁の好機。前の2打席で三振していた清宮に代わって代打で登場すると、カウント0-1から楽天のハーマンが外角低めに投じた大きく縦に割れる変化球にバットを出す。打球は左翼線に落ちて、二走の中島が勝ち越しのホームを踏んだ。

 二塁ベース上で雄叫びを上げながら両手を突き上げた谷口は「ふだんはしない。らくしくないですね」と照れた。5月12日西武戦(札幌ドーム)で3年ぶりの本塁打を放った時には勝ち星に結びつなかっただけに、勝利に直結する仕事に喜びはひとしおだった。「2015年以来」というお立ち台では「やっと貢献できました」と笑顔を見せた。

 17年3月に右膝前十字靱帯(じんたい)再建手術を受け、昨季はシーズン終盤の6試合出場にとどまった。背番号「4」を背負って心機一転臨んだ今季はここまで14試合と出番こそ多くなかったが、状態の良さをキープ。「『得点圏なら(清宮)幸太郎のところで行くよ』と言われていました。チャンスで勝負をかけてくれた監督に、ありがとうございます。何とか結果で応えられました。決してきれいなヒットじゃなかったですが、野手がいないところに落ちて良かったです」と谷口はホッと息をついた。

 実は、清宮の代打で出場することに相当な重圧を感じていたという。「すごいプレッシャーでした。プロ野球でこの先、上に立つ人間じゃないですか」と謙虚に語る。お立ち台では「ファンの方々の大丈夫かなという視線も強かったのかなと思います」と言って観衆の笑いを誘ったが、打席の中では大歓声も聞こえないほど集中していた。

 代打として心掛けている積極性が実った。「打ったのは見たこともないパワーカーブか縦のスライダー。(コースも)ストライクかボールかというところ。でも、見ちゃうと負け。積極的にいったのが良かった」と谷口はうなずいた。

「9年目だけど、まだまだやれると思っています。1本でも多く、1勝でも多く」とこれまで故障に泣かされてきた分だけ貪欲だ。「チームが勝つために自分たちが頑張る。いろんな役割があるけれど、それを全うできればいい」。自己最多の83試合に出場して日本一になった16年以来の優勝へ、任された持ち場で全力を尽くす。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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