最後の打席で約8秒の「サブロ~~~」 二塁打に「右中間の打球が一番きれい」
引退試合で何度も涙、最終打席で鮮やか二塁打「当たるとは思わなかった」
男泣きに何度も泣いた。現役生活22年、2005年の日本シリーズでは、つなぎの4番として、チームを31年ぶりの日本一に導いたロッテサブロー外野手(40)。引退試合になった25日QVCマリンのオリックス最終戦は、サブロー一色に染められた。試合は0-2の完封負けだったが、ファンから絶大に愛されてきたサブローだけに、3万113人とスタンドは満員御礼。球場に入りきれないファンには、パブリックビューイングが用意された。
伊東監督は「誰でも通る道だが、皆で花道を用意してくれて、幸せ者と改めて思う」と「4番・DH」で先発させた。3打席連続空振り三振で迎えた9回表には、まずレフトを守らせ、益田が先頭鈴木を右邪飛に打ち取ると、角中と入れ替えてサブローを古巣のライトに戻す粋な演出。守備につくサブローを泣かせた。
9回裏、代打・井口が倒れた1死走者なしで、この日4度目の打席。「サブロ~~~~~~」。ウグイス嬢の谷保恵美さんの8秒近く、この日もっとも長い万感の思いをこめたアナウンスに送られ、打席に入ると、カウント1-1から抑えの平野の3球目、149キロの速球を鮮やかに右中間へ弾き返し、二塁打でまた涙をぬぐった。